伊黒小芭内が前の席に座ってくる件４【鬼滅の刃】

３年　冬　６１ ページ8

電車を降りたった私達は、
思わずその山を見上げる。



葉はとうに落ちて、
雪化粧を纏った木々の合間に、
咲き乱れる藤の花々が、輪のように、
美しく残っていた。



今は１月で、藤の開花時期は
春の終わりだというのに…
ははは…うわぁ、なんでなんだろうなぁ…。



考え始めたら止まらないから
考えるのはやめておこうっと。



その山ー、藤襲山を見上げていた
カナエが思わず言葉を零す。


カナエ｢…綺麗ねぇ｣


雪の白と藤の花の紫のコントラストが
大変美しく、また、朝日を浴びて
雪がキラキラと煌めいてー、
あー…ゆうとむいに生で見せてあげられないのが
残念なくらい綺麗だわ。



こんな藤の花を見ていると何だか懐かしくなるね。

桜を見ていて、虚しくなるのと一緒…なのかな。

流石は日本人、感性は振り切れてるね！
って言う事かも知れない。



そんな風にぼんやりと眺めていると、
先頭車両の方から、クソデカボイスが響いた。


煉獄先生｢おい、そこの問題児共(7人組)！早く移動しろ！｣


…なんか失礼なことを言われた気がするんだけど…？？
しかも事実にほど近いやつ。


伊黒｢…遺伝子を感じるな｣


実弥｢右に同じくゥ｣


もはや達観したような目で２人がそう呟く。
分かるよ…こんなに遠くても
耳がキーンとなるボイスには
流石に遺伝子を感じる…というか、
既視感を覚えまくりだよね。

そうそういないんだよ、こんな声量の人は。
当の本人はケロっとしてるし。


宇髄｢いや、似てるのは声だけじゃないだろ。｣


『煉獄家の遺伝子は仕事しすぎだと思う』


煉獄｢…？？ともかく、行くぞ！！｣


冨岡｢…ああ｣


カナエ｢さ、転ばないようにね！｣

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