伊黒小芭内が前の席に座ってくる件４【鬼滅の刃】

３年　冬　８１ ページ37

だいぶ日も長くなってきた。


冬の夕焼けは一等綺麗で、
沈みかけた地平線から空全体を
ピンク色の混じった赤色に染めている。


ほお、と溜息をつきそうなほど綺麗だし、
実際さっきそうなってたんだけど
今はそんな余裕もない。


伊黒｢ええっと…顔色が悪いようだが、大丈夫か？｣


隣を歩いていた小芭内にそう言われるほどだ。
小芭内は細やかな気遣いの出来る
すごい人です。

心配をさせてしまったのもすごく申し訳ないし
その細やかな気配りを褒め称えたいけど、
やっぱりそんな余裕もない。


『大丈夫。自分がなしたことに物凄い後悔をしているだけだから。』


圧迫(パワハラ)面接から始まり
地獄の招待状、小芭内の悪口大会(？)
そして明後日に迫っているのが
瑠火師範(せんせい)のバレンタインデーイベント。

逃げれば良いじゃん？って思うでしょ？
でも今更逃げられないし、
逃げたら地の果てまで追いかけてくるし
恐らく捕まえる(それ)を瑠火師範(せんせい)は楽しんでるし。

もう自分の決めたことだから、
腹くくんなきゃと思うんだけど、
そう簡単には行かないお年頃(中学３年思春期)


伊黒｢…その、言いづらことなら構わないのだが、俺で良ければ話を聞こう。｣


『小芭内は優しいねぇ…』


伊黒｢そうでもないぞ、俺は。｣


そんなに優しくしてどうすんの。

煮るの？焼くの？
こんなに優しくて、顔が良いのに、
彼女いないなんてあり得ないでしょ。
未だに信じてないからな、私。

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