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3年 冬 50 ページ46

歩き始めても暫くそんな表情だった小芭内だったが、
あるとき突然口を開いた。


伊黒「…なら、少し失礼するが」


私がなんだろうと首を傾げている間に、
小芭内の腕はすっと伸び、
そっと私の腰に手をかけて、
腰を抱くような体勢になった。


いわゆる、エスコートするときのアレだ。


『(…??)』


何故、こんな体勢になっているのか。


そんな疑問が50m走の冨岡並のスピードで
脳内を駆け抜けた後、

“大変距離が近い“という事実が
これまた音速で入ってきた。



…近い、近すぎる。
好きな人とここまで近い…
しかも公衆の面前で…だなんて、
恥ずかしくて、ドキドキして仕方がない。

ぴと、と密着した体が
うっすらと冷や汗をかき始める中で、
対照的に私の顔はどんどん赤くなる。


そんな風に私がドキマギしている中で、
小芭内はこちらを眺めながら言葉を紡いだ。


伊黒「…頼りないかも知れないが、これなら、俺でも助けることが出来ると思う。」


優しく抱いたその腕は
拘束するような強さはなく、
こちらが動きやすいよう、
痛くならないよう配慮されている。


そんなところでも、
小芭内の優しさを改めて感じた。


伊黒「嫌だったら振りほどいて貰って良い。…駄目か?」


小犬のように眉を下げて、
こてりと首を傾げて、小芭内はそう言った。


尋ねるような口調ではあったというのに、
僅かに上がった口角や、
穏やかな瞳の奥に浮かぶ強い光が、
「逃すまい」と語っているかのようで。
きっと、それは勘違いに違いないのだろうけど


どうしてかはさっぱりとわからないど





思わず、ぞく、と背筋が震えた。





『…よ、よろしくお願いします…?』


伊黒「ああ、任せてくれ」




ははは…まさか…ね?

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設定タグ:鬼滅の刃 , 伊黒小芭内 , キメツ学園   
作品ジャンル:ラブコメ
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白揚羽(プロフ) - Таняさん» 最近ほんと多くてすみません…(土下座)忙しくて確認が曖昧になってしまっているようです…。誤字報告、本当に助かっています…ありがとうございます…!急遽修正させていただきますね。 (2020年11月23日 10時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
Таня(プロフ) - あの、連続でなんか申し訳ないんですけど、3年 冬 51“逆に穴が開いているから5円や10円は…”のところは“5円や50円”ではないでしょうか?追伸: いつもわくわくドキドキしながら読ませてもらってます^ - ^ (2020年11月23日 10時) (レス) id: 87ee4c407e (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - Таняさん» Таняさん、ご指摘ありがとうございます…!打ち間違いですね、最近多くて申し訳ありません…。急遽修正させていただきます。ご指摘ありがとうございます! (2020年11月22日 14時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
Таня(プロフ) - 3年 冬 50 伊黒「嫌だったら振りほどいて貰って良い。…駄目か?」の後“こてり手首を傾げて”のところは、“こてりと首を傾げて”の間違えではないですか? (2020年11月22日 13時) (レス) id: 87ee4c407e (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» 古高カスイさん、ご指摘ありがとうございます…!打ち間違いですね…大変申し訳ありません。急遽修正させていただきます。ありがとうございました…!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白揚羽 | 作成日時:2020年11月8日 14時

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