伊黒小芭内が前の席に座ってくる件３【鬼滅の刃】

３年　冬　４３ ページ39

あの後結局
一睡も出来ぬ夜を過ごー、
さなかった。

ごめんね、爆睡したよ。
私は鋼のメンタルだったらしい。


すこぶる目覚めの良い朝を迎えた
私の元に届いたのは、一通のレインだった。



伊黒おはよう。朝早くに、そして家族との時間を邪魔してしまってすまない。今、大丈夫だろうか?


寝不足の原因などには別にならなかった(酷い)
小芭内からのレインだった。


Aおはよう。今は大丈夫だよ。どうかしたの?


そう返せば、あまり待たずに返信が来る。

伊黒今日は空いているだろうか?

Aフリーだよ〜。

伊黒宇髄曰く、今日、実弥とカナエの付き合ってからの初デートを尾行するらしい。俺1人じゃ止められそうに無いから、助けて欲しい。


アッ…凄く想像できるんだけど、その場面。

というか前回もあったんだよね、それ。


A了解。どこに行けば良いの?

伊黒とりあえず、宇髄の家に





クローゼットから洋服を取り出す。
軽めのメイク、ヘアセットなどは怠らない。
お気に入りのコートを着て、いざ、出発！
…と、思った矢先に目に入ったのは、
昨日、カナエがくれた
クリスマスプレゼントのイヤリングだった。


『…』


何を付けようが、私の自由だ。
これはカナエから貰った大切な物だから、
付ける口実はちゃんとある。


…が、


『(…うーん)』


やはり気恥ずかしいな、と思うのだ。
そこまで大胆にはなれない。

今日つけていってしまえば、
昨日のあれは狙ってやったことだと
勘違いされてしまうだろうから。
それは避けたいところだ。


『言ってきまーす』


意気地無し？なんとでも言って。
恋って感情は難しいんだから、仕方ないんだよ。


何せ、初恋なもんでね。


雪の降り積もった道を行く足取りは
不思議と軽かった。

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