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『っうわ、最悪』







突然降り出した雨にため息をついた。






さっきまで那須とお出かけをしてその帰り道

お母さんに"傘忘れないで"と言われたのを
今になってを思い出す。






雨がアスファルトを濡らす面積が広くなって、
俺は近くの大きな木のある公園へと駆け出した








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『...しばらく止みそうにないなぁ』





灰色に染まった空を見上げて呟いた。

この寒い季節、いくら防寒をしたって雨に濡れたら寒いわけで、手を擦り合わせ"はぁ"と息を吹きかける。





スマホを取り出して誰かに迎えに来てもらおうかと考えていた時。






落とした視線の先、誰かの足が近づいてきて
傘を打ち付ける雨粒がやけにはっきりと聞こえる。








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「...大丈夫、ですか?」








ふんわりとした、耳に残るような声。




顔を上げると、俺より少し背の低い女性が
差していた傘をたたんで、俺を心配そうに見上げていた。





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『あの、えっと...誰かに迎えに来てもらうので、多分大丈夫です』




「そうですか。...あ、でも」






鞄の中を探って、どうぞ、と差し出されたのは
可愛らしい花柄の折り畳み傘。





「待っている間も寒いですから、使ってください」




『え、...良いんですか』






「はい!」






そう言った彼女は、目を細めてふんわりと微笑んでいた。






それとは反対に真っ黒な瞳に、俺は吸い込まれそうになった。






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「では、また」



『はっ、はい!これありがとうございます!』





彼女の声で我に返り、貸してもらった折り畳み傘を上にあげ、頭を下げた。






「ふふ、どういたしまして」









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綺麗な人だったなぁ。





貸してもらった折り畳み傘を
早速差して家路につく。







『明日、公園に行かないと』







会えればいいな。


いや、返しに行くだけだから!








と、頭の中でひとり芝居をしていた。







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○→←_Ryuga.s



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あい(プロフ) - ひまぽんさん» ひまぽんさん、コメントありがとうございます* 。続編などは少し検討させて頂きますね、これからも宜しくお願いします...! (2019年3月25日 0時) (レス) id: 0f506228be (このIDを非表示/違反報告)
ひまぽん(プロフ) - 龍我くんの話の続きが読んでみたいです。那須くんサイドの話も読んでみたくなりました。他の作品も楽しみにしています。 (2019年3月25日 0時) (レス) id: aeeb4a860b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2018年9月9日 21時

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