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『A』


「ん、なあに」









私の名前を呼ぶ甘い声。

太腿の間に座ると大きな体にすっぽりと包まれて、首筋に顔を近づけてくるから擽ったい。









『好き』


「ふふ。....りょうくん、私も」






俺、その呼び方好き。


再び"好き"と零せば私の顔を自分の方に向けて
頬に短くキスをした。









「それじゃあこれから沢山呼んであげるね」


『ありがと。でも、俺の前だけにしてね』


「...独占欲?」


「そんなとこ、」






ふは、と目を細くしてあなたが笑う。




独占欲という言葉の裏に隠された本当の意味は
私だけが分かっていれば良い。




.






私があなたを見つめて

あなたも私を見つめる。






まるで世界に私達だけしかいなくなったような
そんな空間が、私はとても愛おしい。







.







開いていた窓から風が吹き込んできた。
夜の風は涼しいというよりも冷たい。


カーテンが揺れて、その隙間から月が見える。







「りょうくん」


『ん〜?』








月から目を逸らして、もう一度あなたを見つめる。


首を傾けて眉を上げた姿は幼くて
私よりも歳上なのに可愛い、なんて。









「...やっぱり何でもないや」


『え、ほんとに?』


「......幸せだな、って思っただけだから」








そう呟いて、あなたの胸に顔を擦り付けた。
規則正しい心臓の音が心地良い。


りょうくんの着ている洋服からは私と同じ匂いがするけど、そうじゃないりょうくんの匂いもした。








.







『俺も、幸せ』








私の髪を撫でる手。





髪、サラサラ。
ほんと、昔から変わらないね。




優しくて、甘くて、大好きな声が
上から降ってきた。









.

○→←_Ryo.h



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あい(プロフ) - ひまぽんさん» ひまぽんさん、コメントありがとうございます* 。続編などは少し検討させて頂きますね、これからも宜しくお願いします...! (2019年3月25日 0時) (レス) id: 0f506228be (このIDを非表示/違反報告)
ひまぽん(プロフ) - 龍我くんの話の続きが読んでみたいです。那須くんサイドの話も読んでみたくなりました。他の作品も楽しみにしています。 (2019年3月25日 0時) (レス) id: aeeb4a860b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2018年9月9日 21時

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