US〜a.shinjiro〜

kiss ページ22

何か…
ホントに悲しくなってきちゃった…


ｷｷーｯ


急に真ちゃんがブレーキをかけるから
ボスッと真ちゃんの背中にぶつかっちゃった


『どしたの？』


私がそう問いかけると
真ちゃんは自転車から降りて私が乗ったままの
自転車を支えながら私の前に立つ


『さすが男の子…力持ちだねっ』

真「俺に彼女出来たら嫌なん？」

『え…？わかんない…
でも何かずっと一緒に居たのに私よりも後に
出会った女の子と付き合うだなんて
何か淋しいよ…？
それに、朝はどうやって起きれば良いの？
私、真ちゃんじゃなきゃだめなのに…』


それまで俯いてたけど涙が零れそうになり
慌てて真ちゃんを見上げる


真「バーカ」


真ちゃんは耳を赤くしながらイタズラに言った


私は自転車に座ったまま
だから、凄く真ちゃんを見上げる事になる

真ちゃんは腰を曲げて顔を近付ける


真「目…ウルウルやな…」


そう言うと…









ちゅっ…









っと、私の左の瞼に触れるか触れないかの
優しいキスをした…

そして私の目からはひと粒だけ涙が零れた


真「俺がAから離れる訳無いやろ？
ずーっと俺が守ったる」


あ…
まただ…。いつもこうやって真ちゃんは
"守ったる"と言ってくれるんだ…

それは幼い頃から何一つ変わらない
真ちゃんの優しさ


真「やから泣くなや、笑ってる顔が好きや…」


そう言うとクシャッと笑って
私の頭をわしゃわしゃと撫でた

意地悪〜！！


『きゃー！もうっ！髪の毛グチャグチャ』

真「よう言うわ〜！
朝は寝癖でハネとったくせに！」


そんな事を言いながらも髪の毛を整えてくれる
真ちゃんはやっぱり優しい


真「さ、急がな飯食えらんくなるで」


そう言って自転車に跨る


コンビニまで学校から3分で着くんだけどね

でもそれは言わない…




きっと真ちゃんの照れ隠しだから…………。

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