愛するとは【探鉱者】 (ページ7)

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「Aくん、突然の事で驚いたり気落ちする気持ちは分かるのだけどね、」
「貴方、今後のこと考えてるかしら？」

「……今後？」

今後。

己のダイナミクス検査の結果に狼狽するばかりで、全く考えていなかった。

そうだ、今後。

俺がSubだと知ってしまった以上、今後どうして行くかを考えなければならない。

「貴方はplayをしなくても大丈夫な体質だけれど、SubはSub。」
「このままずっと健康のままだと良いけど、そうとは限らない。」
「もしかしたら今生きていられる反動がどこかで来てしまうかもしれない。」

全くもってその通りだった。

体質と言っても、良くなる時は勿論良くなるが、不調があれば一気に崩れる。

この仕事をする上で、何度かそんな患者はやってきた。

ぐるぐると様々な記憶と感情が交差する。

ああ、だめだ。

このまま思考を彷徨とさせる訳には行かない。

要するに…

「…パートナー、ですよね。」

…俺はパートナーを作るべきだと思う。

こんな本能の薄いSubにパートナーができるがどうかは些か気がかりではあるが。

「…そうね。色々不安はあるかもしれないけど、作った方が良いとは思うわ。」

「…でも私もこの荘園にいる人達皆の性を把握してる訳じゃないの。」
「もしかしたらDomがいるかもしれないけど、……。どうでしょうね、貴方達は稀だから……。」

「本当にごめんなさい、肝心な所で力になれなくて……。」
「いっ、いえ！謝らないでください先生。」

謝罪の言葉に狼狽える。

…こちらは貰ってしまってばかりだと言うのに、本当に気立ての良い人だと思う。

「こちらこそわざわざありがとうございます。」
「パートナーの件、暫く真剣に考えてみようと思います。」
「いえ、いいのよ。…職業病みたいなものだから……。」

「それは兎も角、私の方でもDomを探してみるわね。なにか不調があったらすぐに私に言ってね。」
「……！」
「はい……！本当に、ありがとうございます……」