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それから他愛のない話を続け、2人して只管酒を呷り、潰れて飲まれて無茶苦茶になりながらも俺はキャンベルさんに視線を縫い付けられていた。

もはや酒に酔っているのかキャンベルさんに酔っているのか分からない。

2つのアルコールで意識が朦朧とする。

ダークカーキの襟元と青朽葉のスカーフから覗く赤く染った項、

眠たいのかとろんと蕩ける目尻、

左目付近全体に広がる瑕疵ですら艶やかで困ってしまう。

…ああ

…本当に、好きだなあ、キャンベルさんのこと。

お金が無いなら、俺が生活の面倒を見てあげたい。

二度と自傷的になれない程深く愛を伝えて、出来ることならキャンベルさんの幸せを傍で見ていたい。

…あわよくば、彼を幸せにするのは俺でありたい。

俺は重そうに頭をぐらつかせるキャンベルさんの髪を優しく撫でる。


「キャンベルさん、起きて、ますか?」
「……うん…」
「寝るのであれば…ここではなく、ベッドへ」
「うん……」


酒に焼かれた喉から掠れた返事を短く漏らすキャンベルさんはなんとも言えないほど可愛い。

あまりの可愛さに俺は頭を思いっきり殴られるような衝撃を感じ、死にそうになりかがらもキャンベルさんの腕を担ぎあげ何とかベッドへと運ぶ。

鉱夫の仕事をしているだけあって、やはり彼は体躯がよく、部屋に引きこもってるだけの鍼灸師だと、片腕を担ぐだけでもなかなか労力を掛けた。

…鍛えようかな……

少しだけ悲しいような虚しいような感情を抱えながらキャンベルさんに優しく布団を掛け、もう一度髪を撫でる。


「じゃあ、俺ももう部屋に戻るので…」

「今日はありがとうございました……!?」


俺は突然キャンベルさんは腕を引っ張られた。

アルコールでふやけた体は意図も簡単に姿勢を崩し、そのまま彼の胸に飛び込むが、当の本人はうーだかあーだかよく聞き取れない声を漏らし懇々と眠りについている。

俺は完全に抱き枕状態だ。

しかし頭がお花畑になってしまった俺は、酒の力があれば公然とキャンベルさんに抱きつけるんだなぁなんてことを考えながら抱き枕になる事を受け入れ、そのまま目を閉じる。


「…そばに、いて………」


そしてもうダメだった。

キャンベルさんの小さなお願いに、まるでコマンドを使われた時のように体はピクリとも動かせなくなる。

心配せずとも、俺はずっと傍にいます。

そう伝えたくて口を動かすが、声は出ず、息が静寂の中に溶けるだけとなった。

…あぁ、

……ねむい

………

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白帽子(プロフ) - 田中さん» コメントありがとうございます。おかげで更新頑張れます…! (3月12日 6時) (レス) id: f1b6561477 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - とても好きです♡これからも更新待ってます♡ (3月12日 1時) (レス) id: d3ff0093eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白帽子 | 作成日時:2024年2月19日 21時

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