愛するとは【探鉱者】 (ページ14)

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「…不躾にジロジロすみません……。」

キャンベルさんの手を取りながら素直に謝罪を口にする。
彼はいつも抉るように鋭く殺風景な表情をしているイメージがあるが、今はより一層部の悪い顔をしている気がする。

…言葉を間違えただろうか。

出来れば嫌われたくない。

しかし如何せんキャンベルさんは分かりづらい。

そんなミステリックな所もまた魅力の1つなのだろうかとなんとなく考えながら俺は昨夜について話を続けた。

「…ところで、キャンベルさん、あの…昨夜はありがとうございました。」
「あと、途中で眠ってしまって……。キャンベルさんは満足出来ましたでしょうか……」

手は握ったままで、俺は思った事をそのまま口にした。

ちら、とキャンベルさんを見上げると、彼は鳩が豆鉄砲を食らったような表情をしており、心底疑念を含む押しこもった声で「……は？」と一言漏らした。

「え？」

え？

なにか、変なことを聞いてしまっただろうか。

反射的に握っていた手をそっと離した。

今度こそ嫌われてしまったか？と気後れしてしまって上手く話を繋げることができない。

どう話を広げればいいんだ…と途方に暮れていたところ、キャンベルさんはああ、ごめん、と何気ない声色で言った。

「そんな事聞いてくる相手今までいなかったから。」

…

……相手、

「満足したよ。」
「それに、眠るように命令したのは僕だから、気にしなくて大丈夫。」
「…そ、そうですか……」

ドクンと心臓が嫌に跳ね上がる。

脳髄が白く溶け落ちるような感覚がした。

俺はキャンベルさんにとって何人目なのだろう。

過去にはどんな人とどんなplayをしていたのだろうか。

何故かそんな事が気になってしまった。

我ながら大いに絆されやすい性格で困ってしまう。

…キャンベルさんとは荘園の中だけの一時的なパートナーだ。

それ以上の気にしてどうする。

俺は暫くばらばらになってしまった意識を拾い上げながら、とにかく心を切替える事に専念した。