愛するとは【探鉱者】 (ページ12)

今日:14 hit、昨日:35 hit、合計:4,485 hit

11 ページ12

___

________

はぁはぁと荒く呼吸を繰り返す。

俺は"kneel(おすわり)"の姿勢をキープしたまま、キャンベルさんの蠱惑的な視線をただ見上げた。

自分の意思が淘汰され、何もかもが支配されてしまう感覚に恍惚とする。

精神が溺れ、

忘我の境に入る。

___これは、凄い。

僅かに残る意識の隅で俺はもはや感心していた。

俺には支配される欲もそう言ういった趣味もないはずなのに、体は確かに喜んでいる。

幽かに聞こえるキャンベルさんの呼吸を耳にするだけで脳が奪われ耽溺する。

なるほど、これがSubか。

「…？」
「君、本当にSub性薄いの？」
「コマンド効きすぎじゃない？」

キャンベルさんが何か言ってる。

しかし俺は上手く聞き取れなかった。

コマンドだろうか、だったら従わなければ……

「…、？きゃ、んべるさ………」
「…Sub spaceに入りかけてる。」

……？

さぶ、……

…だめだ、頭がふわふわして上手く考えることができない。

「…Aさん、"come(おいで)"。僕の隣。」
「……！」

バチッと視界が弾けた。

俺の体はまた制御が効かなくなり、頭で考えるより先に体がキャンベルさんの隣へと移動していた。

175cmオーバーの男を2人支える荘園のベッドがギシ、と悲鳴をあげた。

「いい子。」
「そのまま横になれる？」
「ん……」

俺は枕のある方を頭に横になる。

「……今日はもう寝ようか、目を閉じて」
「…きゃんべる、さん…………」

キャンベルさんはそっと俺の頭を撫でた。

それだけで傀儡と化した俺の体は暖かい泥のような領域に微睡んでいく。

意識が鉛のように重く落ちていく。

「…おやすみ。」

________。