第68話「兄妹と一番」 ページ18
「センラ君、センラ君」
『船兄、船兄！』
「『………』」
『ちょっと何なん！？』
「こっちが何なん！？俺の方が先なんだけど！」
『帰ってきた時にお話聞いてくれるって先約束したもん！』
「俺は昨日からしてました！だから俺が先！」
センラを挟んで口喧嘩をし始める三男と末っ子。
Aは志麻、坂田はうらたに取り押さえられセンラは嬉しくも困ったように笑うのだった。
「センラ幸せ者過ぎひん？」
「皆待ってたからね」
「俺らほんま自分でも引くぐらい兄妹大好きやねんな」
「妹のが百倍好き！」
『お兄ちゃん達の方が百倍好き！』
「一番誰が好き？」
「やっぱり島兄のがかっこええから一番やろ」
「坂兄だよね？一番一緒に遊ぶもん」
「船兄やんな？一番一緒に買い物行くし」
いきなり話の方向が変わって戸惑いつつも考える。
誰が一番とか、Aの中で考えた事はなかった。
皆優しいし、皆大好き。
『皆大好きだから一番とか分かんない』
ふんす、と頬を膨らまして答えた。
数秒だけ沈黙が続き、兄達は一斉にAを抱き締める。
「そういうとこやぞ、Aー！」
「良く出来た妹だ、うん」
「あー、もー、可愛い！」
「また一緒に遊びに行こな！」
この歳でもお互いが大好きでスキンシップも多い兄妹。いいじゃないか。
「まぁ、一番Aに貢献してんの俺だけどね。長男だし」
「だってうらたさん保護者やん」
「俺らはお兄ちゃんでうらたさんは保護者だよ」
「確かにそうですよね、お父さん部門ではうらたん一位やわ」
「何それ？俺兄部門になると除外されんの？」
『確かに浦兄パパだね』
「あ、もう立ち直れない」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 372人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：憐
| 作成日時：2016年3月25日 13時
