おにいちゃんたちといっしょ。【その２】 (ページ15)

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第65話「次男と頼みごと」ページ15

『うぅん…』

Aが悩む手には一枚のプリント。
もうすぐ三者面談である。
高校三年生のこの時期、進路について親は不可欠になる。
Aは進学か就職かまだ迷っていた。

『浦兄…は、仕事だし。島兄も仕事だし、坂兄は何かちょっと不安だし、船兄に至っては居ないし……』

最悪母に頼むのもありだが、何となく声は掛けづらい。
やはり仕事が早く終わる坂田に今回も頼るしかないのか。
前回坂田が来た時は｢話が難しくて聞いてなかったや｣と言われたので正直な話心配である。

『浦兄』

「なに？」

『今度三者面談あるんだけどさ、浦兄仕事だよね？』

「あー…そうだな…いつ？」

『来週の木曜日』

「…志麻君休みだよ」

『えっ、本当？』

「うん、志麻君に聞いてみたら？」

『そうする！』

早速志麻の部屋へ行くと、誰かと通話しているのか声が聞こえる。

「ん？ごめんちょい待って」

｢どうした？｣と優しく微笑まれ遠慮気味に中へ入る。
事情を説明すると、カレンダーを見て何かを考えているようだ。

「それ夕方からでもいい？」

『う、うん。島兄に頼めるなら』

「よっしゃ任しとき」

『やったー！ありがとう！』