第61話「兄弟と明日」 ページ11
｢はー！楽しかった！｣
｢たまには良いですね、こんなんも｣
｢夕飯作るの面倒臭いからこのままどっか寄ろっか｣
『｢さんせーい！｣』
一行はファミレスに寄り夕飯を済ませ再び家へ。
帰宅して順番にお風呂やお土産の整理をする中、センラは押入れからキャリーバッグを引っ張り出していた。
『ん？船兄何してんの？』
｢センラ明日から出張やねん｣
『えーっ、帰りは？』
｢一週間丸々居らんのは確実やね｣
『お土産待ってる…』
｢任せとき任せとき。あ、確かうらたんも明日からちょっと忙しなって帰り遅い言うてた｣
『浦兄も？』
志麻も普段から帰りは遅いし、大人は大変だなと思ったAだった。
｢坂田とちゃんと留守番出来る？｣
『出来るし』
｢ほなお土産ちょっと奮発しよかな｣
『期待しちゃう！』
｢A〜、次お風呂入っちゃいな｣
噂をすれば坂田が風呂場から帰ってきて、キャリーバッグを見てA同様の反応を見せた。
出張なんて今までにも何回かあったが、数日とはいえ家族の元を離れるのは少し寂しい気もする。
｢明日から俺帰り遅いし、志麻君は普段から遅いし、センラ君出張だから坂田とAだけになるけど大丈夫だよな？｣
｢もー、皆心配し過ぎ、遅いって言っても21時とかには帰ってくんでしょ？大丈夫大丈夫｣
｢そんな事言うて食器割った事あるん知ってるよ｣
｢センラも卵レンチンして爆発さしたって聞きました｣
｢誰によ…｣
｢｢A｣｣
｢とにかく、夕飯はAに任すからお前は風呂と洗濯物な｣
｢俺だって出来るもん｣
｢俺が帰ってきたとき家ないとかやめてや｣
｢燃えてるもなし｣
｢電子レンジ爆発もなし｣
｢もーっ！うるさいな！大丈夫だって！｣
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作者名：憐
| 作成日時：2016年3月25日 13時
