最後のライブ...のはずでした (ページ4)

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「Aちゃんいらっしゃい」

「お邪魔しております

今回も車を出していただくことになって申し訳ないです」

星那のお母さんがひょっこり顔を出した

笑顔が素敵な優しいお母様

実は去年も期末と被っており車を出してもらっていて感謝するばかりだ

「着替えてるんやから出ていけや」

「はいはい、おばさんは出ていきますよ～

じゃあね、Aちゃん」

「すみません、ありがとうございます

…あんた口悪すぎやろ」

呆れながら言うと

星那はなんのことやらと無視をした

「お昼カップ麺ならあるで？」

「私がカップ麺嫌いなの知ってるよね？」

「なんでなん？

ほんま味覚大丈夫？」

なぜ星那に言われなきゃならないんだと思いながら、制服を畳んでカバンに入れる

「コンビニでよくない？」

「あー、ええけど」

「私は無くてもいいし」

鞄を持って靴を履く

星那も準備が出来たようでグッズをガタガタ倒しながらやってくる

「グッズ整理しろや」

「めんどい」

彼女の部屋には、センラさんのグッズがあちこちに置かれている

私は１箇所に綺麗に飾るタイプなので、家に来る度に整理しろと言っているのだが聞く耳を持たない

「行くで～、おとーさん！！

くるまー！！！」

「お久しぶりです、今回もよろしくお願いします」

星那のお父様はペコッと会釈をして運転席に座る

なんて良いお父様なんだろう…

「はよはよ」

そんな良いお父様にそんな口の利き方はないだろう、星那よ…

「ほんま口悪いなぁ」

「推しに似てん」

とりあえずセンラさんに謝れ

責任転嫁をするんじゃない

あーだこーだ言っている間に神戸に着いた

「さ、並ぼうか( ^ω^ )」

「めっちゃ並んどるやん、なんなん」

神戸ワールド記念ホールでのライブは初めてということもあってかお昼すぎだと言うのに

グッズの列は朝見たTwitterの写真と大して変わっていない

ここから何時間かかるのかを考えただけでも目眩がする

「今が14時、開場は17時…

これは間に合わないかもね」

「あーだる」

「そんなこと言わないで並ぶよ」

私は星那を引っ張って列に並ぶ

並んでいる最中にセンラさんのアクスタが売り切れ、それに引き続き坂田さんのも売り切れ始めた

「また明日並ばないと…」

「よろしく」

「お前もこいや」

「やだ。ねる」