プロローグ ページ2
あかん…ここわからん…
期末テスト4日目の3時間目
苦手な英語表現のテスト
でもこれが終われば、ライブが待っている
月曜日にまだ2教科残っているが、幸いな事に私の得意とする数1と暗記の保健
会場に行くまでの車で保健を覚えて次の日の朝に数1を解いてから
2日目のライブに行けば大丈夫やな
試験時間残りの5分でそんなことを考える
それにしても、ここだけ答えわからんな…
全部教科書も問題集も暗記したけどやっぱあかんか〜
チャイム…と言う名の
『エリーゼのために』が流れる
テスト週間になるといつも流れるためもはや地獄の曲と私の中では化している
「あー、全然できんかったw」
後ろに座っている美裕が声をかけてくる
彼女の答案は真っ白
これは今回も欠点スレスレやな…
内心呆れつつも話に相槌を打つ
彼女は去年カナダに留学に行っていたため1つ上の先輩だ
先輩が同じ教室にいて更には出席番号が私の後ろ
一体なんの縁なんだ…と思いながらもコミュニケーションをとる
色んな人と友人になることは大切だと思っているため、貴重な経験ができて良いのだが…
この白紙の答案用紙を見るとカナダで一体何をして来たんだと尋ねたくなる
「早く終礼終わんないかな」
「ライブだっけ？」
「うん！！！！」
今日は浦島坂田船の春ツアー初日
去年、浦島坂田船のライブに初めて行ったのもこの春ツアーである
昨年は『桜吹雪で乱de舞！』という少しふざけた…彼ららしいテーマだ
会場には、爛漫と咲き誇るかのような桜と春のイメージが満ちあふれていたのを覚えている
そして今年は『斬』がテーマとなった
新撰組をモチーフにしており、ビジュが大変素晴らしいものとなっている
「レポちょうだいよ？」
そんなことを考えていると頭上からこたぬきの友人、実乃梨が少し憎らしげに言ってきた
彼女は期末中には行けないという真面目な考えから、今回は応募すらしていないのだ
「もちろんやで！楽しんでくるよ…」
少し気持ちが落ち込んだ私
今回のライブは今までとは違う
私にとって最後の浦島坂田船のライブだ
「最後のライブだもんね」
「うん…もうさかたん目に焼き付けてくるから！！！！」
「うんw」
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作者名：ゆーゆゆ | 作成日時：2020年1月13日 21時
