影 sideセンラ ページ9
俺は今、心愛に呼び出されていた。
周りからは俺は心愛側で、モブちゃんたちを嫌っているように見えるが、そうではない。
俺は心愛に脅されている。
俺も最初は心愛側だった。
だが、脅されたら嫌でもわかるだろう。
心愛が悪いと。
今日は心愛に呼び出された。
場所は屋上。
「…遅い」
『…すまん』
特別遅れたわけではないのに、心愛は口癖のように毎度嫌味ったらしく言ってくる。
『今日は何の用なん?』
「そうね、今日は、私がカッターキャーをした、って言う証拠を壊してきて欲しいわ」
証拠…?
『でも、Aは今入院してるんじゃあ…』
「証拠は今、坂田くんが持ってるみたいだから大丈夫。貴方なら坂田くんの親友だし、簡単に信用させられるでしょ?」
その言葉を聞いた時、俺には怒りとか、悲しみとか、呆れとか、そんなものは全然なくて。
どうしたらそんなひどい思考になるのか、ただただ驚いた。
そんな、親友を裏切るなんて、できるわけない。
ただでさえ、脅されて坂田にひどい態度を取っていると言うのに。
「どうしたの?wやらないと、みんな貴方の前から消えてっちゃうよ?w…まさか、坂田くんのこと、利用したくないとか考えてるの?あはっ、とんだバカだね、センラくん」
『ッ…』
親友を利用したくないという考え方はバカなのか?
「私に逆らうの?」
『…ぇ…?』
心愛は一歩、また一歩と俺に近づいてくる。
気がつくと、俺は屋上の端に追いやられていた。
「私に逆らうなら、今、ここから突き飛ばしてもいいんだよ?」
足元には環境委員によって植えられた木々が小さく見える。
思わず足がすくんでしまう。
「…とにかく、なんでもいいから証拠を壊してきて。私にとって不利になるものは徹底的に潰さなきゃ。人も物も、ねw」
そういうと、心愛は妖しく笑った。
その笑みを見た瞬間、背中に悪寒が走った。
そのあまりに冷酷な笑い方は、人間にはなしえないような物だった。
心愛が屋上から出て行ったあとも、俺はしばらく動けなかった。
_____ごめん坂田。
_____もう俺には、お前を裏切る他の道がないんや。
俺は、坂田とのトーク画面を開く。
胸毛坂田、いまから会えるか?
俺はそうメッセージを打ってから、屋上を後にした。
胸に、大きな罪悪感を抱いて。
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乙女ゲームのヒロインに転生したので【以下略】
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蜜柑(プロフ) - akaneさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです!いえいえっ!akaneさんの温かい言葉、心に沁みました…!更新頑張らせていただきます! (2020年10月30日 19時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
akane(プロフ) - コメント失礼します!! 病み期など色んなことで大変かもしれませんが私はこの作品が大好きなので少なからず仲間は居ることは覚えいて欲しいです!!こんな匿名野郎に言われても仕方ないかもしれませんが((ゆっくりでいいので続き待ってます! (2020年10月30日 1時) (レス) id: 93ea39b737 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ナナ。さん» コメントありがとう!読んでくれてありがと〜!多分暴露話がこれで最後だから、続編いってすぐ完結になる…かもしれないw完結するする詐欺でごめんねw期待に応えられるよう頑張るね! (2020年10月26日 22時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ。(プロフ) - コメ失礼します。更新ありがとうございますm(__)m心愛が潰されていくのが楽しすぎる(*´∇`*)(決してサイコではない)完結まで楽しみにしてます! (2020年10月26日 20時) (レス) id: 9211782864 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 蜜柑さん» えっっっっ全然いいです!でれるの凄く嬉しい…えっ本当にありがとうございます!!!!焼き土下座します((勝手に使ってごめんなさい (2020年9月30日 23時) (レス) id: 9ab75758bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2020年7月5日 10時