大丈夫 side坂田 ページ4
『っあー』
俺はAの家の前で、待機していた。
もちろん、Aを待っているわけでは無い。
いつも、Aとモブちゃんとここで待ち合わせをしていたので、モブちゃんが来るのでは無いかと、ここで待っていた。
すると、俺の考えは合っていたようで、モブちゃんもここへやって来た。
『あ、おはよ!』
「おはよー、坂田くん。じゃあ、行こっか!」
そう言って歩き出すモブちゃん。
今更ながらに少し思い出してしまう。
そう言えば、モブちゃん俺のこと、好きやったな…。
決して自惚れているわけでは無い。
ただ、凄いと思ったのだ。
フラれた相手とここまで仲良く出来るなんて。
そりゃあ、俺がもしAにフラれたとしても、【これからも仲良くしような】って言うと思う。
ただ、ここまで自然に接することが出来るだろうか?
…嫌、きっと難しいだろう。
フラれたショックで、対応も不自然になってしまうだろうし、なにより、好きという感情が溢れ出てしまうだろう。
その点、モブちゃんは本当に凄い。
まるで、俺のことなど最初から好きじゃなかったみたいに友達として振る舞える。
「…ぃ。…ぉーい!…坂田くんってば!」
少し前をいくモブちゃんに声を掛けられて、はっと我に帰る。
「大丈夫?」
『あーっと、ちょっと緊張してんねん。Aみたいに頑張れるかってな。』
これもあながち嘘では無い。
目の前に見慣れた校舎が現れ、一気に緊張感が高まる。
_____ここに入ったら、少しのミスも許されない。
そんな時、俺の手が暖かいもので包まれる。
みると、モブちゃんが俺の手を握ってくれていた。
思わずモブちゃんの方を見てしまう。
モブちゃんは聖母のような顔で微笑んでいた。
「大丈夫。私たちなら、きっと出来る。少し間違えちゃっても大丈夫。それ以上に頑張れば良いんだから」
周りは登校する生徒が増え、たまたま登校していたセンラと目があった。
センラのこちらをみる目は、相変わらずだ。
少し胸がチクっとしたが、俺の手を包むモブちゃんの手から、勇気をもらった気がした。
大丈夫。
俺たちはきっと。
そんな決意を胸に抱いて、俺とモブちゃんは校門を潜った。
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蜜柑(プロフ) - akaneさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです!いえいえっ!akaneさんの温かい言葉、心に沁みました…!更新頑張らせていただきます! (2020年10月30日 19時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
akane(プロフ) - コメント失礼します!! 病み期など色んなことで大変かもしれませんが私はこの作品が大好きなので少なからず仲間は居ることは覚えいて欲しいです!!こんな匿名野郎に言われても仕方ないかもしれませんが((ゆっくりでいいので続き待ってます! (2020年10月30日 1時) (レス) id: 93ea39b737 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ナナ。さん» コメントありがとう!読んでくれてありがと〜!多分暴露話がこれで最後だから、続編いってすぐ完結になる…かもしれないw完結するする詐欺でごめんねw期待に応えられるよう頑張るね! (2020年10月26日 22時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ。(プロフ) - コメ失礼します。更新ありがとうございますm(__)m心愛が潰されていくのが楽しすぎる(*´∇`*)(決してサイコではない)完結まで楽しみにしてます! (2020年10月26日 20時) (レス) id: 9211782864 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 蜜柑さん» えっっっっ全然いいです!でれるの凄く嬉しい…えっ本当にありがとうございます!!!!焼き土下座します((勝手に使ってごめんなさい (2020年9月30日 23時) (レス) id: 9ab75758bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2020年7月5日 10時