ぶりっ子はぶりっ子を潰したいと思います【歌/い/手】

交渉※修正 ページ23

「…君が何が言いたいのかわからないな」

『そうですかぁ？お願いというのは、私の利益のためだけに貴方が働くことで、交渉というのは、貴方にも私にも利益がある、ということです』

「…へぇ。俺にも利益が？是非とも聞かせて欲しいな」

…興味は掴めたか？このまま行けたらいいのだが。

『…では、こちらも素で行かせてもらいます』

やっぱり重要な話をするときにまで演じるのは違うよな。それに話しにくいし。

そう思い、小文字厨をやめると、一ノ瀬 彼方はにやりと笑った。

「それが君の本当の姿、か」

『えぇ、そうです。なぜぶりっ子を気取っているかは割愛させていただきますが。…随分と嬉しそうですね。私の弱みを掴めたからですか？』

「いいや。そんなことないよ」

『…そうですか。では、今回私が依頼する内容はこうです』

すぅ、と息を吸い、告げる。

『“折原 千羅の過去を探ってきて欲しい”』

一ノ瀬 彼方はわかりやすく顔を歪めた。

「…それをしたところで、俺になんの利益があるの？それに、それは立派なプライバシー侵害という犯罪だ。君は俺に犯罪に手を染めろというの？」

『はい、そうです。私は犯罪に手を染めるわけには行きません。ですが貴方達は警察とだって繋がっているでしょう？いくらでも、隠蔽できるでしょう？それに、貴方への利益はもちろんありますよ』

「確かに金があれば、隠蔽は可能だ。でも、大金を払うほど、俺に利益はあるの？」

『…そうですね。貴方にとっての利益は【私と心愛、どちらが正しいかが明確になり、貴方はこちら側に来て両者から批判を浴びることはなくなる】そして、【学校の治安が良くなる】そして、【他校からの評判が悪くならない】ということですね』

随分いい条件だと思うのですが。

そう問うと、一ノ瀬 彼方は悩んだそぶりを見せた。

「確かにいい条件かも知れない。しかし、過去を調べるには金がかかるし、隠蔽するにも金がかかる。軽く1000万くらいだろう。俺にはその条件に1000万の価値があるとは思えない」

私はははっ、と乾いた笑みを漏らす。

『そう言われると思っていました』

「なるほど。つまり君にはまだ作戦があると」

『ええ。1000万には軽すぎるかもしれませんが、150万は私が出させていただきます』

報酬の150万を手放してしまうのは勿体無いが、モブちゃんや坂田と出会えたのだし、いいかと思った。

それに、私自身、ぶりっ子を気取るのは楽しいし、心愛は完璧に潰しておきたい。

支払いは〇〇で※修正→←対決

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