スパイ ページ3
『スパイ、なってよ』
「は、はぁ？スパイ…？」
『そそ。向こう側に行って、心愛にベトベトしてもらって、向こうのこっちへの考え方とか、計画とかを引き出してもらうの』
「えぇ！？そんなん嫌や！なんでわざわざ向こうが悪いって知ったんに仲良くならなあかんねん！」
『いや、志麻が心愛と仲良くしてたら、センラも安心でしょ？』
センラの名前を切り出すと、志麻は黙って志麻った←
『それにさ、スパイってことは、センラのことも、坂田のことも裏切らなくて済む。最高の選択肢だと思わない？』
私はニヤリと笑って問いかける。
「…分かった、やればいいんやろ？」
『交渉成立、だね』
「半端強制だがな」
えー？わかんないなー？
『…じゃあ、これからは坂田の動きが重要になってくる』
坂田は息を飲む。
『まず、心愛はやっぱりモブちゃんに仕掛けるから、坂田はモブちゃんから絶対離れないこと。今回私が庇ったからよかったけど、次は本当に死んじゃうかもしれない。そんな結末、私は絶対許さないから。…志麻も聞いてた？志麻には心愛がモブちゃんに仕掛けないように立ち回って欲しい』
「「わ、わかった！」」
『あとは、心愛を潰せそうな証拠があれば、必ず録音しておくこと。私から伝えて置くのはこれだけ。後は坂田が先輩とか知り合いを使って、立ち回って』
「え、えぇ！？俺にそんな難しそうなこと、出来るんかな？」
『大丈夫。別に私のやり方を真似しろってワケじゃない。坂田のやり方で、私たちが有利になるような場を作るんだよ』
「そんな簡単に言われても…」と、歯切れの悪い返事をする坂田。
…こうなったら仕方ない。
私は坂田の腕を引っ張り、ぐいっと体を引き寄せて、坂田の耳元で囁く。
『…心愛を早く潰せたら、私の返事も早くなるってことだよ…？坂田の恋心を利用したいワケじゃないんだけどさ。…やっぱりその…ずっと返事を返さないのも悪いし…』
語尾にスラッシュがつくんじゃないかってくらい照れながら話す。
やっぱり、恥ずかしい。
これだから恋バナとかは嫌いなんだ。
そうすると、私の照れが坂田にも移ったのか、顔を赤く染め上げている。
そんなとき、志麻が少しイラついた様子で口を開いた。
「…そういうんは、人がいないときにお願いしてもええか？めっちゃくちゃぶん殴りたいんやけど」
よく見ると志麻の額には青筋が浮かんでいた。
「『ご、ｺﾞﾒﾝﾅｻｲ…』」
その日は一旦、解散となった。
___早く治んないかなぁ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 436人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蜜柑(プロフ) - akaneさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！いえいえっ！akaneさんの温かい言葉、心に沁みました…！更新頑張らせていただきます！ (2020年10月30日 19時) (
レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
akane(プロフ) - コメント失礼します!! 病み期など色んなことで大変かもしれませんが私はこの作品が大好きなので少なからず仲間は居ることは覚えいて欲しいです!!こんな匿名野郎に言われても仕方ないかもしれませんが((ゆっくりでいいので続き待ってます！ (2020年10月30日 1時) (レス) id: 93ea39b737 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ナナ。さん» コメントありがとう！読んでくれてありがと〜！多分暴露話がこれで最後だから、続編いってすぐ完結になる…かもしれないw完結するする詐欺でごめんねw期待に応えられるよう頑張るね！ (2020年10月26日 22時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ。(プロフ) - コメ失礼します。更新ありがとうございますm(__)m心愛が潰されていくのが楽しすぎる(*´∇｀*)(決してサイコではない)完結まで楽しみにしてます！ (2020年10月26日 20時) (レス) id: 9211782864 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 蜜柑さん» えっっっっ全然いいです！でれるの凄く嬉しい…えっ本当にありがとうございます！！！！焼き土下座します((勝手に使ってごめんなさい (2020年9月30日 23時) (レス) id: 9ab75758bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜜柑 | 作成日時：2020年7月5日 10時
