推しが現れた - てつや ページ14
えっ、と呟く。
今日は定時で会社退勤できるように、 仕事を急ピッチで終わらせた。
今日は新しいプロジェクトのメンバーを決める日。嫌なら仕事をバックれろ、という直属の上司の言葉を聞いて、上司と同僚が同タイミングで定時退社。その一分後に、私も退社を決め込んだ。
そうして、帰り道にTwitterを開く。仕事中に呟いて反応できなかった推しの呟きにいいねを推すためだ。
すると、15秒前に呟かれたツイートを見つけて目を見張る。
た画像は謎のオブジェとツーショットを撮っているてつや。
何このオブジェ笑とリプが増えていくのに、私は硬直した。後ろに映る時計は呟いた時間と同じ時間だ。
…ここ、私がいつも通る場所。
人通りの少ない道に、ポツリと建っているオブジェ。以前は公園のオブジェだったんだけど、公園だけが取り壊されて入口にあったこのオブジェはポツリと建っているものになってしまった。
そして、まもなくそのオブジェを通り過ぎる、のだ。
スマホから目の前の道に意識を向けると、彼は居た。
目が合って、ぺこりと礼される。
目の前に推しが現れた、としか言いようがない。
ある一点に気を取られていた私はハッとして、いつも動画見ていますと声に出した。
驚いたような顔をして、ありがとうございますとにこりと笑われる。
写真も撮ってもらった。
失礼します。と礼して反対方向に歩き出したが、私の意識はてつやに会えたことよりもずっとずっとショックなことの方に向いていた。
手を恋人繋ぎして歩いていくてつやと女性。
一瞬だけ振り返ると、幸か不幸か丁度キスしていた。
路チューとか、私のイメージ通りすぎるって。
というか今彼女いないって言ってたじゃんか。
リアコなわけじゃないけれど、応援できるほど私は純粋なオタクじゃない。
羨ましいような、彼を取られたような、自分勝手な気持ちを抱えて、スマホのツーショットを見返す。
よく見ると、微妙に手を繋いでいるのが映り込んでいた。
苦笑して、手の部分だけをきりとった。
.
ハピエンが書きたすぎて禁断症状が…
東海オンエアをあまり書いていませんでしたので、ここらでリーダーさんを書かせて頂きました。
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作者名:夏瞬 | 作成日時:2019年8月20日 16時