後悔 - 千葉 ページ2
『ちばちゃん』
「Aちゃん、なあに?」
にこにこ笑うちばちゃんを見て、言おうとしたことを言えなくなった。
『…なんでもないよ。ごめんね』
疑問符を浮かべるちばちゃん。
言えなかった。
彼女のいるちばちゃんに、好きだなんて言えなかった。
高校時代、ちばちゃんを振ったのは私だったのに。
「Aちゃん、なんかあったの?」
ちばちゃんが顔を覗き込んできて、どうしたらいいか分からなくなった。
『…今日のご飯、しゃぶしゃぶか焼肉か迷ってた』
「なんだぁ、心配して損したw」
ヘラヘラ笑ってるちばちゃんに合わせて笑う。
『…ちばちゃん』
今度こそ。
言ってもいいですか。
「なに、ご飯決まった?笑」
『…しゃぶしゃぶ行こ』
やっぱり無理だった。
純粋そうに笑ってるちばちゃんを汚すなんて無理だった。
『ちばちゃん、あのね』
「うん、今度はなに?」
『……すき、…やき、食べたいね』
「今度はすき焼き行こうね!」
にこにこと微笑んで店に入っていくちばちゃんを追いかける。
-
酔い潰れて寝てしまったちばちゃんを見つめながら、呟く。
『ちばちゃん』
『…やっぱり私は自分勝手だよ』
『ちばちゃん、まだ好きだよ』
.
作者はちばちゃん推しです。
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作者名:夏瞬 | 作成日時:2019年8月20日 16時