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そうやねー、と俯きながら彼は少しずつ話だした。
「その子、元は患者さんやってん。」
「患者ってことは坂田さんの働いてるあの病院のですよね?」
「ん、半年くらい前やったかな?
ちょうどそん時流行ってた肺炎罹って、2ヶ月くらい入院しとってん。」
「2ヶ月も?
肺炎でそれだけ入院することってあるんですか?」
「んー、人それぞれやね。
薬が体に合えば薬だけもらって通院とかやからね。
まあ、その子の場合は薬が体に合わんくて体に合う薬探すあいだ入院しとってん。」
へー、そんな場合もあるんだ。勉強になった。
「んで俺その子の担当やってん。」
「ほほう。
……なんかだいたい話掴めてきたんで言ってもいいですか」
「んじゃあ、Aちゃんの回答をどうぞー」
「その女の子と話してるうちに優さんが惹かれていって仲良くなって退院後も連絡を取り合っていて、今日のChristmas Eveにデートに誘ってOKを貰ってウキウキしてたら、フラれたってところですか?」
淡々と私が勝手に思い描いたシナリオを口頭で伝えれば優さんは目を点にしてこちらを見た。
「どこか間違っていましたか?」
「あ、や、細いとことかはちゃうけど、だいたいあっとるよ…!
……にしてもすごいなぁ、Aちゃん!
本業は探偵さん?」
そう言えば坂田さんには本業があってアルバイトは副業だって言ったことあったな。
「私のレベルで探偵になれるなら私は探偵になれば良かったですかね。」
「なんや、ちゃうんか
んじゃー、本業は?」
「作家です。
小説書いたり脚本書いたり、まあ色々してますね」
「へー、作家さんなんや!
なんて名前で仕事してるん?Twitterやってるんやったら俺フォローするわ!」
スマートフォンを片手にニッと笑う優さん。
……私の作家名言ったら、びっくりするんだろうな。
ちょっとだけ、どんな顔するか楽しみだな。
くすりと笑い彼に伝えた。
私の作家名を。
「
「……え?
ええええええええええええ?!!!」
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作者名:moe | 作成日時:2017年12月26日 3時