【D.O.】 dangerous zone ｰｰｰ歪むｰｰｰ【CHAN YEOL】 (ページ2)

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D.O. side ページ2

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D.O. side

『帰ってきた彼女』

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Aが韓国へ帰ってきた。この大韓民国へ。昨日いきなり迎えを頼まれた俺。お洒落もできず、Aの元へ。
人目を考慮して、全身黒で行くと名前を呼ばなきゃ気づかれないという事態に。｢逆に目立つ｣とか笑われたし、もう黒やめようかな。

俺とAは従兄弟だ。俺にとってAは、一歳年下の妹みたいな子。
一時期付き合ってたせいか、Aに会うとドキドキするけど。今はお互いに別々の道を歩んでいる。

俺とAは、人目から逃れるために人気の無い近くのカフェへと入った。
『大変だ……』と言ってAが疲れたように笑う。
どうしよう。Aに、迷惑をかけている。

｢ごめんね、迷惑でしょ｣

と、気を遣い俺が言う。するとAは

『ん？ギョンス、なんか勘違いしてるでしょ。大変だねって言っただけだよ。迷惑だなんて思ったことない』

なんて誇らしげに笑って。｢昔と変わらないね｣と思わず呟いた。Aには聞こえてなかったみたいだけど。

久しぶりに聞いたせいか、Aの声は俺の心にすっと入ってきた。

｢そっか。好き｣

言葉は勝手に出てきて。抑えが聞かないような性格、やめたいなぁ。ほんと。

『！？』

Aはびっくりしたように俺の方を見た。
でも実を言うとこれはおあいこみたいなもんじゃないかって思う。
だってAは、嬉しいことがあったり、自分の思い通りになったりするとすぐに人に『好き』と言って困らせるんだから。

俺だってAと付き合ってる時はその一言に浮かれていたけど。

｢A、いつも言うじゃん。嬉しいことされるとすぐに人のこと"好き"って言うんだから。俺はわかるからいいけど、ほかの人が聞いたら勘違いしちゃうだろ｣

俺は厳しく言った。そして名前の頭をドアを叩くようにコツンとたたいた。

『はぁーい……』