人の不幸は蜜の味。【緑】

#36 ページ36

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何かしらで弱ってる時に

人が優しく見えるんは、愛おしく見えるんは

吊り橋効果ってやつやろ？



今まで何回か感じたことはあるけど

今弱りすぎて神山先輩が神に見えてくる。




神｢ん。｣



あの後先輩はずっと私のそばにおって。

私は先輩の手をずっと握りしめていた。




ほとんど何も記憶にはないけど

神山先輩の手が心地よかったのか

ただ単に疲れが溜まりすぎてたんか

あの後はすぐに寝てしまった気がする。




多分深夜くらいの時間に起きたら

神山先輩は部屋に布団を引いてそこで寝ていた。


申し訳ない気持ちでいっぱいになったと同時に

月明かりに照らされる神山先輩の寝顔が

しっかりと脳裏に焼き付いてしまった。

かわいい。




『…先輩のにおい…？』




体が少し動くようになったので

ずっと同じ体勢もしんどいし

体勢寝返りを打つと、枕や布団が擦れて

神山先輩のにおい……しかないか。

それに包まれた。



いっつも先輩はここで寝てて…


なんて想像して、元気なった時に

不機嫌になってきそうやなぁとか

そんな妄想をする。




変な時間に何回も寝たからか

それともこの環境に落ち着かないからか

そのあとは全然寝付けなかった。

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