通行人「通報した方が良い？」−�� ページ9
ひとまずの日常に戻った僕は、顔バレの件をネット上では否定しつつ、軽い変装は必要なものの、ようやくまともに外に出られるようになった。とは言え…
「あれ、倉間さん？」
――何故か放課後の美少女高校生探偵、真純ちゃんに変装は見破られたが。
彼女は蘭ちゃんと園子ちゃんと共に下校してる途中のようだ。あれ、帽子被ってマスクして厚着してる僕って第三者から見れば女子高生に絡む不審者なのでは？
「よく分かったね？」
「え…声が違う？」
「ああ、これ変声機。ちょっとね…」
そういやマスク型変声機使ってたな、とマスクを外す。やっほー、と手を振って声をかければ、真純ちゃん以外も僕だと分かって安心したようだ。
「歩き方も背丈も暑苦しい格好も、倉間さんだったからな！」
「やだ、真純ちゃんってばそんなに僕の事を…」
「ちがぁう！」
「そうだよね。真純ちゃんはコナンくんがすむぐぐぐ！？」
「それを言うなぁ！？」
慌てて彼女の手により、僕の口は塞がれた。な、なんて熱烈な…しばらくして解放されると、溜息を吐かれた。
「最近見ないと思いましたけど、相変わらずで何よりですよ…」
「そういえば、最近ポアロにも顔を出してませんでしたよね。忙しかったんですか？」
「あ。ひょっとして、例の動画投稿者の素顔として晒された件？」
「園子ちゃん…よく知ってるねそんな事…」
「クラスの男子が言ってたんですよ」
流石耳が早い女。
「で――…あれ、本当なんです？」
「何が？」
「ほら、動画投稿者だって事！声も全く同じじゃないですか！テンションとかノリとか話し方とか、一緒ですし！」
そんな意気揚々とこんな所で語らないでくれ。苦笑気味に首を横に振った。
「僕は毒者じゃないよ。知ってる人だけどね。ほら、アイツもSNSで否定してるだろ？」
「"アイツ"って呼ぶ辺り、親しい人物かな？しかも話し方の特徴も同じって事は、影響を一番に受けるほど近しい人物か、それとも――」
「おおっと真純ちゃん、それ以上言えば僕が君の口を手で塞いでその結果通行人に"女子高生に暴行を加えようとした"と見られて警察に通報されて僕が逮捕されるぜ」
「最終的に不利益を被るのは倉間さんなのか…」
第三者の目ってのは結局そんなもんだぜ。トラブルが起きたら、女子高生と荷物いっぱいで出歩く服の露出面積の少な過ぎる成人男性だったら、前者の方が被害者だという先入観を持つ人が多い。というか僕がそうだ。当事者でなければまず警察を呼び出す準備はしてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
