後ろ髪を結った黒髪でマスクの男−�� ページ25
夕方が近付くと、子ども達は帰った。残ったのはオレと灰原、あとは家主の遥斗さんのみ。
「僕に話って何だい？そんなに改まって話されると、すごいふざけたくなっちゃうんだけど」
「真面目な話だよ。単刀直入に言うんだけどさ、遥斗兄ちゃんって…敵？…悪い奴らの」
「成程、その話か」
特に驚きもせず、彼はオレの言葉に考え込む。
「…さて、君の言うその悪い奴らが何を定義するかによるね」
「全面的に否定はしてくれないんだ」
「君にウソは吐きたくないのさ」
いや嘘つけぇ！…そう心の中で叫んだが、飲み込んだ。
「例えば――お酒の名前をコードネームとした、黒づくめの組織とか」
「ジンとかウォッカとか？」
「…！」
「今度は僕からも質問しよっか。どうして僕が"そう"だと思ったの？」
遥斗さんは動揺するワケでもなく、ただいつもの微笑を浮かべて尋ねてくる。…オレの質問も折り込み済みか？
「ああ、君の質問には半分肯定するよ。僕はその組織を敵視はしている」
「…遥斗兄ちゃん、安室さんの事を会う前から知ってたでしょ？」
何故かこの質問には彼は素っ頓狂なカオをした。
「安室はともかく、何で透の字が分かったの？安室さんの名前を聞いたけど、見た事は無いのに…安室さんにふざけて"秀"ってあだ名付けたって、安室さん言ってたよ」
「…」
「"とおる"って字は透明の透だけじゃなくて、徹夜の徹もあったのに、遥斗兄ちゃんはあたかも知ってるかのように透明の透だって分かった。…知ってたんでしょ？安室さんの事」
「…参ったな、そんな初っ端からボロを出していたとは」
「あと、安室さんの方を向いて"ノック“って言ってたでしょ？」
「え？言ってないけど」
「え？」
辺りに微妙な沈黙漂う。だってあの時、と説明するとそれ誤解じゃね？と返ってきた。
「あの時は本当にノックスの十戒の事を呟いたんだよ」
「え？じゃあ安室さんの方を向いてたのは…」
「偶然じゃね？まあ安室さんがノックなのは知ってたけど…」
…ここでそんな嘘をつくメリットは思いつかない。本当なのか…？
「…えっと。何か他にもあるよね？理由」
「――バスジャックの時に灰原を助けた男。あれ、遥斗兄ちゃんだよね」
「…！」
「うん、そうだね。よく分かったね？ひょっとしてさっきのマスクのメンテナンスうんぬんは、それを確認する為？」
いくら指摘しようと、彼は動揺を見せる事は無かった。彼の質問に、静かに頷いた。
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
