後ろ髪を結った黒髪でマスクの男−�� ページ24
『は、灰原さんが男性と一緒にいますよ！』
バス爆発後、灰原を助けに行こうとして結局救出された。やや既視感のある、見知らぬ黒髪の男性により。
『おい灰原、大丈夫か？』
『…ええ、大丈夫よ』
灰原は呆然とした様子で、男性の後ろ姿を見ていた。新出先生――思い返せば、変装済みのベルモットと何か話していた彼は、怪我をしていただろうに笑ってベルモットに手を振っていた。
『江戸川くん、私はさっさと離れるから…あとはお願い』
『…逃げるなよ、灰原。――自分の運命から…逃げるんじゃねーぞ…』
バス内に残った理由、それはおおよそ見当がついてしまった。だからかけた言葉だった。
『――ええ、そうね…』
『…そういやさっきの人、何でバスの中に残ってたんだ？』
『さぁね。…でも、多分…』
『多分？』
『願ってくれたから、じゃないかしら』
『…？何を？』
『私はもう行くわよ』
とっとと行ってしまった灰原に疑問を抱いていた。少なくともバス乗車前より僅かながらに生きる気力がわいた事を、アイツの表情から悟った。
(成程…そういう事だったのか)
「ねぇ…まさか、」
「うん、メンテナンスは大丈夫みたい！目を開けて良いよ、遥斗兄ちゃん」
「ん？もう良いの？灰原ちゃん何か言いかけてなかった？」
「…いえ、何でもないわ」
不満げな灰原の視線を適当に流し、マスクを外して歩美ちゃんの手も解放する。何だったんだ？と周りが疑問符を浮かべるが、まずは謎が一つ解けた事で思考を巡らせる。
遥斗さんはあの時、灰原を助けた人だった。赤井さんもあの場に乗り合わせたから、きっと気付いたのだろう。
なら遥斗さんは組織の人間か？…いや、まだ確定してない。灰原から遥斗さんへ面識は無さそうだった。幼児化の事は知ってそうだし、ベルモットに近しい人間か灰原のいたラボの人間かのどちらかと思ったが、ベルモットに味方するなら灰原は消されてるしそもそも灰原が彼を信用しない。ラボの人間だとしても言い方が悪いが、知識が無さすぎる。灰原の監視役だったとしても、幼児化を知っててなお誰にも報告しないのは…やはり、遥斗さんは組織に敵対してるからか。
「…遥斗兄ちゃん、後でちょっと話そうか」
「こ、コナンくんの浮気者ー！」
「ちげーよ！！」
相変わらずこちらの調子を崩してくる彼に、また苛立ちと、味方かもしれないというほんの少しの期待を持った。
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
