やつがれウィークエンド−�� ページ19
桃太郎の読み聞かせ、とあらばまず桃太郎の本を借りなければならないだろう。二人分の会計を済ませると図書館へ向かい、借りる事にした。さっきの主婦さんはもう僕の事を教えていたのか、司書さんに"よろしくお願いしますね"と言われた。
「図書館では静かにね？コナンくん」
「遥斗兄ちゃんにだけは言われたくないかな」
「あ、コナンくん、ほら"100万回生きた猫"」
「絵本は読まないよボク」
「読む時あそこの子ども用のテーブルで読もうね、コナンくん」
「半笑い気味だけどバカにしてるの？」
「そんな事は無いぜ、コナンちゃん」
「やっぱりバカにする気満々だよね？」
彼が不機嫌になる度に段々と面白くなり、僕は口角をぷるぷる震わせた。彼は不満げに僕の服を引っ張り、とっとと用事を済ませようとする。
「本がいっぱいだからってはしゃぐんじゃないよ？」
「親面するのはやめてくんない？」
「ほらコナンくん、たまにはお友達と遊ばないとね」
「遥斗兄ちゃんが図書館に連れてきたんだよ」
「えーと桃太郎はこれかなっと」
「会話をしようよ遥斗兄ちゃん」
「ドッジボールではただ早くとも真っ直ぐしか飛ばないボールより、ある程度変化球にした方が強いんだぜ」
「言葉のキャッチボールをしろって言ってんだけど」
桃太郎の本を借りれば、司書さんから当日の予定を話してもらった。取り敢えず僕は桃太郎の読み聞かせだけすれば良いらしい。
「倉間さんはお子さんの扱いに慣れてますか？」
「初対面で苦笑させられるくらいには誰とでも仲良くなれる自負がありますよ！」
司書さんのカオが不安に変わった。コナンくんは呆れた。まあまあ任せて下さいよ、となだめて図書館を出た。
「ただ普通に桃太郎読むのだとつまらないから改変したいんだよね。そういうワケだから感想くれない？コナンくん」
「えぇ…まあ良いけど。遥斗兄ちゃんの改変はイヤな予感しかしないよ…」
「流石コナンくん」
「オイ！」
「まあ図書館だとうるさくて注意されるかもだし、ウチに行こうか」
「…普通の読み聞かせってうるさくならないと思うんだけど」
「や、コナンくんがツッコミ入れても良いように」
「逆にツッコミされると思われるくらい改変するの？」
大層不安そうになされるコナン大明神様。呆れてもなお付き合ってくれるのは彼の人情だろう。我が家に招いてジュースを注ぐと、改変…もとい改悪すべく、絵本を開いたのだった。
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
