不躾な侵入者 ページ14
「遥斗兄ちゃんって何で怪盗キッドを見に行こうって思ったの？」
博物館の中、展示物の説明をじっくりと読む彼だが、マスクまで没収されて素顔を晒している。そのせいで落ち着かないのか、少し挙動不審だ。
「…単純に興味が湧いたからかな。それにほら、怪盗キッドって変装の名人だし、マジックも上手いんだろ？何か動画のネタにならないかなぁって」
「はは…相変わらず仕事熱心な事で」
「まあね、なんだかんだ楽しいし。…あ、僕もマジックとか始めてみようかなぁ」
「遥斗兄ちゃんはもう"こんな事もあろうかと"って言えるくらい、ある意味マジックみたいに物持ってるでしょ」
「確かに文字通りの持ちネタはあるけども」
遥斗さんは苦笑する。彼の口癖でもあるこの言葉だが、安心感というより彼の場合呆れを感じてしまう。物が多すぎんだよ…よくそんなに持とうとするな。
「そういえばさ…あ、ちょっとしゃがんでくれる？人に聞かれたくないんだ」
「やだ、コナンくんってば熱烈っ！…ちょちょごめんて、そんな冷めた目しないで」
ふざけた調子の彼に冷めた視線送ると、彼は慌ててしゃがんだ。この前会った青木一雄は、赤井さんいわく組織の人間。ならば遥斗さんが組織を知ってても納得がいく。
十中八九そうではないと踏んでるが、もし遥斗さんが危険人物だとして…口封じで何かされたら子どものオレに抵抗は難しい。彼の持ち物に何かそういう道具があるならば。
だが今彼は丸腰で、その上ここは人が多い為にすぐにはどうこうしないだろう。聞くチャンスは今だけだと思った。
彼の耳に近づこうとした時、ハイネックの下の素肌に目がいく。何も無い肌色だけがそこにあった。
――そういう事か。
「お前、キッ――…」
「うわぁコナンくんがその年でキスを覚えた！？」
「「！？」」
もう一人の遥斗さんの声が、息切れ気味に聞こえた。慌てて聞こえた方を見ると、あんぐりと口を開けて驚愕した様子でオレ達を見ていた。周りの人も騒然とし、遥斗さんと遥斗さんに変装してるキッドを凝視してる。
「ってかキスじゃね…じゃないよ！ちょっと耳打ちしようとしただけ！」
「コナンくん、悪い事は言わない…僕に気があるのは分かったけど、君にはまだ早いよ」
「だから何もかも違うって！？――あっ、こら待てキッド！！」
本物の遥斗さんが出てきたと思ったら、キッドが遥斗さんのカオでニヤリと笑って煙幕を張った。くそッ、見えねえ！
「――Ladies and Gentlemen！」
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
