忙しない小さな名探偵−�� ページ2
「話って何、昴さん？」
オレと二人きりだからか緑の瞳を開眼させ、ソファに悠々と座っている昴さんと対峙する。彼は意味深に口角を上げ、懐から数枚の写真を取り出した。
「高校時代の倉間遥斗だ。彼の部屋を片付けた時、少々拝借してね」
「…この人が、本当に？」
黒髪、黒目、猫背。周りに人はおらず、面倒臭そうにこちらを向いていた。陰鬱とした印象が見受けられるその人は、顔は同じなのに全くもってオレのよく知る遥斗さんとはかけ離れていた。
「別人のようだろう？だが青木遥子と倉間さんの髪を何本か拝借してDNA鑑定に回した所、合致――二人は紛れもない親子さ」
…あれ？じゃあ何で遥斗さんは病室で、"僕は貴女の息子じゃない"と…？
「しかし妙な事に気付いてね。倉間さんの髪の毛の根元を見てみたのだが…栗毛色だった」
「え？」
地毛が栗毛色だったという事か？いや、だとしたら高校時代のこの黒髪は一体…
「それとだが…彼が黒髪だと想定して、マスクをさせて髪を後ろで結わせてみるといい。何か気付くかもしれない」
「？分かった。…あと昴さん、青木一雄って人…知ってるよね？」
「ああ」
昴さんは一度頷くと、変声機のスイッチを切った。
「アルマニャック――フランスで醸造される、コニャックと並ぶブランデー。組織では通称、アルマと呼ばれている」
「会った事あるの？」
「一度だけ、顔合わせでな。ヤツは薬学に精通していて、特に毒を好んで任務によく使うらしい。ジンほどの脅威ではないが、敵に回せば恐ろしいだろう」
まさかのコードネーム持ち。だとしたら灰原があんなに怯えるのも得心がいく。
「恐らくだが、身を潜める為に一般家庭に紛れ込んでいるのだろう」
「…遥斗さんは青木一雄から組織の存在を知った…？ひょっとしたらそれで組織に与しているのかもしれない」
「倉間さんは安室さんと知り合ってからポアロに来るようになった。となれば…」
「彼は青木一雄、もしくは組織の命令で安室君を見張っている可能性がある」
「安室さんがノックだと疑われているからか…！」
あのふざけた態度も全部フェイクか？素は大学進学前の彼。油断させる為に演技をしているのなら、納得もいく。"僕は貴女の息子じゃない"という発言は、自分が犯罪の片棒を担いでいるという罪悪感からあの言葉を？だとしたら、青木遥子はただ良い隠れ蓑に使われた白…
(待てよ、引っかかる。髪色の件は？灰原が何をなんで隠しているんだ？)
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» コメントありがとうございます。本編と異なる可能性もありますが、次回は大体あんな感じでお送りします。 (2022年8月6日 6時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - 次回予告✨ (2022年8月5日 17時) (レス) id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - わさびもち！さん» コメントありがとうございます。気に入っていただいて何よりです。 (2022年8月4日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
わさびもち！(プロフ) - 好きです…好きです…最高に好きです…すき… (2022年8月4日 2時) (レス) @page50 id: bc0339f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます。応援していただきとても嬉しいです。 (2022年7月25日 19時) (レス) @page40 id: 242a51c45c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年7月6日 15時
