見えない影を探して−�� ページ34
寝ぼけ眼を擦れば、壁に寄っかかって寝ていた筈の影が無い事に気付く。…どこ行ったんだ、遥斗さん？
「起きたかい、アンタ達」
オレと同じように今起きたばかりの歩美ちゃん達は、部屋に入ってきた女性…遥斗さんの母親に驚く。
「アイツから金は貰ってるから、朝ご飯ウチで食べてきな。腕によりをかけて振るうよ」
腕まくりをした遥斗さんと瓜二つで少し老けた顔の女性は、遥斗さんと一緒にいる時に見せた不機嫌そうな顔をおくびにも出さず、人の良い笑みを浮かべた。
「遥斗兄ちゃんは？」
「ああ、アイツなら外だよ。散歩でもしてんじゃないかい？」
それよりほら顔洗いな、と退室して行ったのを見送り、そばに置いた眼鏡をかける。
「彼なら朝早く起きてどっか行ったわよ」
「どこ行ったんだ？」
「さぁ？」
昨日の事について問い詰めようと思ったんだが…
あれから夕飯を食べ、風呂に入り、さっさと寝る事となり聞き出すタイミングを失った。起きて二人きりになったら…と思ったんだが。
遥斗さんとその母親のご厚意に甘え、朝食を食堂で食べる事になる。本来は静かなんだろうが、少年探偵団が揃ってるせいか賑やかだ。
「あんれ、こんな朝早くから団体客？」
「遥斗が連れてきたんだよ」
「ハル来たの！？」
「…お姉さんは？」
昨夜はいなかった、エプロン姿の快活な女性が食堂でオレ達にお冷を持ってきた。遥斗さんの名前が出ると大袈裟に驚いた。
「あたしは
「んだよハルが来たのは聞いたぞ！」
「厨房で立ってるあのやさぐれお兄さんが
「誰がやさぐれお兄さんだよ」
厨房で気怠げにテレビを見ていた男は、小宮さんの言葉に億劫そうに返した。
「え、じゃあハルは？」
「さぁね。顔色悪かったから、外の空気でも吸いに行ったんじゃないか？」
顔色が悪かった…？
思い出すのは昨日、犯人を確保して崖の向こうを見下ろした時の遥斗さん。段々と顔を青白くさせ、目は焦点が合わなかった。
『遥斗兄ちゃん、大丈夫？』
『…うん』
犯人を背負いながら山を下る道中、彼は空返事ばかりだった。まさかまたあの崖に…？
「…僕もちょっとお散歩行ってくる！」
「何だよコナン、迷っちまうぞ？」
「平気だよ、ここら辺の道なら頭に入ってる」
悪いが朝ご飯は後回しだ。昨日の遥斗さんの状態が妙に気になる。
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想世(プロフ) - トめAと@カド松さん» コメントありがとうございます。過去だけでもSAN値ゴリゴリ削られてますね… (2022年8月11日 9時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - SAN値ヤバそう･･･ (2022年8月11日 7時) (レス) @page49 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 深夜さん» コメントありがとうございます。帰省の際に何かしらの悶着はありそうですね。 (2022年5月29日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - コレお母さんとひと悶着あるパターンかな?(フラグ) (2022年5月29日 19時) (レス) id: 19b009e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 時凪さん» コメントありがとうございます。執筆の励みになります。これからも更新を頑張らせてまいります。 (2022年5月29日 18時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年5月29日 16時
