哀色少女と−�� ページ3
原作通りというか、僕の知った通りに事が動き、バスに設置された爆弾の起爆装置が動いた。乗客は慌てて全員バスから降り、僕は一人でじっと座って残る灰原哀に後ろから話しかけた。
「ヘーイ君、そんな所にいると爆発しちゃうぜ」
「…ッ！？」
灰原哀はまさか自分以外に車内に残っている人物がいるとは思っていなかったようで、怯えるようにばっと振り返った。
「リア充が爆発するならまだしも、子どもが爆発するのはいただけないね」
「…貴方こそ、逃げたらどう？」
「君が逃げるならね。…はっ！でも今ここで君と爆発したら、君と僕はリア充…ってコト！？」
「何を訳の分からない事を言ってるの？」
「嫌なら逃げようぜ？――それとも、自分の人生から逃げたいのかな」
「っ…貴方には何も分からないわよ」
反抗的な目を向ける彼女は、哀しい瞳の色をしていた。胸の内が締められる。
――境遇は違うけど、ちょっとだけ気持ちは分かるさ。
「自分の運命から逃げたいって点なら僕も同じだぜ。でも僕は、生きなくちゃいけないから…よっと」
「え？ちょ、ちょっと！離しなさい！」
「悪いね！可愛い子は道連れにせよってのがウチの家訓なんだ！」
「どんな家訓よ！！」
抵抗する彼女を無理矢理脇に抱えると、すぐさまバスの入り口へと駆け抜けた。出口の足場を一気に蹴り、一直線に走る。数秒も経たない内に、後ろで爆発が起き、爆風で軽く吹っ飛んだ。い、痛い。灰原ちゃんを庇って背中で地面に着地したから、めちゃくちゃ痛い。
「い、いてて…はぁ、良かった」
「何で…何で助けたのよ！」
「…宮野志保ちゃん」
彼女の本名を言い当てると、びくりと彼女は肩を跳ねさせる。服についた埃を払って立ち上がった。
「星の数ほど、君の幸福を願う人がいるんだよ」
「…まるで知ってるみたいな言い草ね」
「知ってるさ。よく知ってるよ。僕もその内の一人だから」
「だから生きろと？…ヤツらからは逃げられないのに…」
「組織の事？潰せば良いんだよ」
「…！？そんな簡単に出来たら、今私は…！」
「いつか潰せるさ。僕じゃないけど、君の近くにいるヒーロー達が。だから信じてみてよ」
警察、少年探偵団がこちらに来て、新出先生の目もこちらに向いた。
「時間切れだ。今回だけ魔女の目は引きつけておくから、上手く逃げるんだよ」
「待って…貴方は何なの？」
「秘密。…僕の事は、みんなには内緒だぜ？」
だってその方がカッコいいだろ？と下手くそに笑ってカッコつけ、背を向けた。
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想世(プロフ) - トめAと@カド松さん» コメントありがとうございます。過去だけでもSAN値ゴリゴリ削られてますね… (2022年8月11日 9時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - SAN値ヤバそう･･･ (2022年8月11日 7時) (レス) @page49 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 深夜さん» コメントありがとうございます。帰省の際に何かしらの悶着はありそうですね。 (2022年5月29日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - コレお母さんとひと悶着あるパターンかな?(フラグ) (2022年5月29日 19時) (レス) id: 19b009e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 時凪さん» コメントありがとうございます。執筆の励みになります。これからも更新を頑張らせてまいります。 (2022年5月29日 18時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年5月29日 16時
