最高と最悪の大学生活−�� ページ13
それからはしばらく肩身の狭い思いをした。萩原研二の救済はなんとか出来た。しかし何故か倒れた宗一は目覚めず、僕が毒を盛ったと疑われる始末。だが宗一の身体から毒は検出されず、精神的なダメージにより昏睡状態に陥ったと診断。
「…どうして…」
昨日の今日でこれだ。薬品盗難の犯人にされかけるわ、親友は何故か突然昏睡状態に陥るわ、また僕が犯人にされかけるわ。お陰で大学では遠巻きにされ、周りからの視線はキツい。
親友はいつまでも目を覚まさない。僕に馬鹿な事も言わないししないし、笑わない。状況的に僕しか犯人はおらず、あわや逮捕されかけた。証拠不十分で逮捕は免れたが。
地獄のような毎日を送り、大学をなんとか卒業後も宗一は目覚めなかった。医者いわく、精神的ダメージが大きいと思われるとの事。
東都に来てから不思議な事ばかり起きる。パトカーのサイレンが鳴らない日の方が少なく、僕は人の視線を感じ取れるようになってしまい、友人は何故か倒れる。
(僕がもし、主人公みたいに、…工藤新一のようになれたら)
そうしたら、何もかも解決出来ていたんじゃないか。そんな馬鹿な事まで考えるようになった。他人に自分がなれる筈もないのに。
(――東都に来てから、ロクな目に遭わない)
溜息を吐いた。近くのテーブルに、買った花束を置く。花瓶はあるが既に花がある。多分、宗一のお母さんがもう来て古いのと入れ替えたのだろう。
後ろで扉が開く音がする。少しだけ老けた女性――宗一のお母さんは、僕を見て目を見開いた。その反応を見て、僕はインカムのスイッチを切った。
「こんにちは、宗一のお母さん」
「あ、あら…こんにちは、倉間くん」
互いに軽く会釈をする。僕はいつもの笑みをちょっとたたえて、彼女に話しかける。
「爆破予告状、貴女ですよね」
「…爆破予告状？一体何が…」
「予告状を見れば、僕と大学に復讐したいのが分かる。"証拠を殺した"…これは二つの意味。大学から盗まれたがその行方をくらませたタリージェ、そして昏睡状態に陥った宗一の事。毒蛇は勿論僕」
宗一のお母さんが、唾を飲む。
「家から出た時はまだ視線は感じなかった。犯人は僕を尾行してない。なら予め僕の行き先を予測していた。その上、大学時代の僕を知る人。――じゃあ宗一に近しい人が犯人。そうでしょう？」
「…」
沈黙が彼女の肯定を表した。
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想世(プロフ) - トめAと@カド松さん» コメントありがとうございます。過去だけでもSAN値ゴリゴリ削られてますね… (2022年8月11日 9時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - SAN値ヤバそう･･･ (2022年8月11日 7時) (レス) @page49 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 深夜さん» コメントありがとうございます。帰省の際に何かしらの悶着はありそうですね。 (2022年5月29日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - コレお母さんとひと悶着あるパターンかな?(フラグ) (2022年5月29日 19時) (レス) id: 19b009e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 時凪さん» コメントありがとうございます。執筆の励みになります。これからも更新を頑張らせてまいります。 (2022年5月29日 18時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年5月29日 16時
