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思えばアサヒは妙な男だった。
名前の発音にこだわり、真面目な顔をしてふざけたことをのたまい、特にバーボンのペースを乱してきた。
だが今は――
「ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧ！！」
「どんなおたけびだ」
その走る様はさながら恐竜。向かってくる山のような男には随分と威圧感がある。
「チッ……」
もし俺が自分の足で走っていたら、すぐに追いつかれていただろう。
しかし今、俺は車でアサヒから逃げている。
――なのに何故並走できる？
「
「ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓のように呼ぶな」
「彼女さんを騙して組織に潜入するなんて、恐ろしい男ですね！」
「今のお前の方がよっぽど恐ろしいと思うが…」
車と同じ速度で走ってくるガタイの良い男なんて、恐怖そのものだろう。
しかも手を伸ばせば運転席に届きそうな距離を保っている。
もしかするとアサヒに追いつかれる可能性もある。数年間見てきて、あの男の体力が切れたところを見たことがない。
拳銃を取り出せば、アサヒに向かって発砲した。
「ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧ！？」
「お前の叫び方それしかないのか」
銃弾は確かにアサヒの右肩に命中し、奴は苦痛に顔を歪めた。
が、変わらず並走してくる。
(どうなっているんだ、この男…)
桁外れな身体能力は知っていたつもりだったが、こうも化け物じみた性能だと絶望すら覚えそうになる。
もう一度発砲しようと銃口を向けた矢先、アサヒはサイドミラーへ手を伸ばして掴み、車から取った。
「ライ、これだけは言っておきますよ」
奴は手に収まったサイドミラーを握力で潰すなり、脅すように告げる。
「あの姉妹の立場、あなたのせいで悪くなりますからね。妹の方は守れても、姉の方は俺でも難しいです」
「…！おいアサヒ、守るって――」
「ｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓です」
「だからお前のそのこだわりは何だ」
まるで宮野姉妹を守るような物言いは気になったが、アサヒは名前の訂正だけすると速度を落とした。
――まさか、俺を見逃す気か？
その予想は正しく、奴はそれ以上俺を追うことはなかった。
(…借りができた、と思うべきなのか)
アサヒの真意は分からない。
もしかしたら、アサヒは組織の中でも悪人ではないかもしれない。
だがしばらくは怒涛の勢いで迫ってくる巨漢が夢にも出てくるようになり、タバコを手放すことはできなかった。
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想世(プロフ) - 紅弁慶さん» コメントありがとうございます。ｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓ はしつこすぎず、薄まらないよう気を遣いながら入れているので、そのようなところに気付いていただけて嬉しい限りです！ (4月6日 13時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 想世さん» あぁ…流石要所要所にｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓を匠に入れるｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓さんだ…。ｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓さんは本当にうまーく、何気なく出すんですよ… (4月6日 1時) (レス) id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 紅弁慶さん» ｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓「たとえ死んでも、俺はｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓だし、ｱｻﾋｨ↓ｽｩﾊﾟｧ↑ﾄﾞｩﾙｧｧｧｧｲ↓であることを誇りに思う！！」 (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 残念だったな…工藤くん……死んでもそのこだわりは直せないんだな、これが… (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます。こんな ひがいを うみだすとは あさひは やっぱり すっごいわるもの まる(小並感) (4月5日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2024年3月25日 9時
