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死ぬつもりでアポトキシン4869を飲んだ。
お姉ちゃんが行方不明になったり、アポトキシン4869を勝手に使われたり。
挙げ句の果てには、"宮野明美はライに捨てられたショックで身を投げた"とかふざけた噂が出回るようになって、自暴自棄になっていたら軟禁された。
本当にお姉ちゃんは死んだのかもしれない。
このまま生きていても、死ぬまで組織にこき使われるだけかもしれない。
そんな絶望から、自ら命を断とうとした。
――そして私の身体は縮んだ。
「シェリー?」
呆然としていたら低い声が聞こえて身構えれば、部屋にはアサヒが入っていた。
私を凝視するその瞳から、驚いている気配が伝わる。
「…来い、シェリー」
「イヤよ。もうあなたたちに使われるなんて、まっぴらごめん」
もう一錠飲めば、今度こそ死ねるかもしれない。
そう思ってこっそりアポトキシン4869を飲もうとしたが、どうやら彼にはバレていたようで、薬を持っていた手を掴まれる。
「っ、離して!」
「声を上げるな。…君の姉は生きている。俺が手を回した」
「え…?」
「詳しくは後で話す。そこのダクトから外に行けるハズだ。あとは君を保護してくれそうな人のもとへ連れていく」
そう告げるなり軟禁部屋から背を向けて出た彼は、言う通りダクトを通って外へと出ることで再び会う。
「乗れ」
車に乗っている彼の指示に従って乗車すると、外からは見えないよう助手席の足元に隠れた。
「…どういうことか説明してくれるかしら」
「
「随分と心強い味方ね。そこまでしてくれるほど、あなたに何かしたかしら」
彼は恩人、なのだろう。
けれどなぜそこまでしてくれるか、意味が分からない。
「ある人に頼まれたんだ。そいつの残したものは俺の命より大事だ。だから君を助けた」
「…」
「あとはただの同情だ」
「同情?」
「君も俺も、幼い頃から組織に縛られているからな」
「…そんなことで」
「でもそんなことで君は今、組織から逃げられている」
「あなたにメリットが無いじゃない。もしかしたら、私の脱走の共犯だと疑われるかもしれないわよ」
彼がラボに来る頻度はそう高くないから、余計に。
「上手くやるさ」
そう断言した彼は、工藤新一の家――に彼はいなかったので、隣の阿笠博士の家に送ってくれた。
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想世(プロフ) - 紅弁慶さん» コメントありがとうございます。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓ はしつこすぎず、薄まらないよう気を遣いながら入れているので、そのようなところに気付いていただけて嬉しい限りです! (4月6日 13時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 想世さん» あぁ…流石要所要所にアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓を匠に入れるアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんだ…。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんは本当にうまーく、何気なく出すんですよ… (4月6日 1時) (レス) id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 紅弁慶さん» アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓「たとえ死んでも、俺はアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓だし、アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓であることを誇りに思う!!」 (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 残念だったな…工藤くん……死んでもそのこだわりは直せないんだな、これが… (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます。こんな ひがいを うみだすとは あさひは やっぱり すっごいわるもの まる(小並感) (4月5日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:想世 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2024年3月25日 9時