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「工藤新一、依頼がある」
最後に会ってから数日後の休日、バッタリと会ったアサヒさんは何の脈絡も無くそう告げた。
「唐突ですね」
「本当は連絡を取りたかったが、連絡先を知らなくてな。学校に乗り込もうとも考えたがやめておいた」
「多分色んな人がビビるので勘弁してください」
ガタイの良い男が車椅子に乗って単独で学校に現れたら、驚くだろうな…
「…ところで、何で今度はタヌキのぬいぐるみを抱えているんですか?」
アサヒの膝には、子どもが好きそうなタヌキのぬいぐるみがちょこんと乗っていた。
やっぱりシュールな絵面だな。
「この間、ウメッ◯ュを独り占めしていた子どもが親に怒られてな。ごめんなさいのつもりでこのぬいぐるみをくれたんだ。ウ◯ッシュの親権も取り戻せたし、数日後にはまた一緒だ」
「そ、そうですか…」
意外と仲良くしているんだな、その家族と…
「そういえば、依頼って何ですか?」
「ここで話すのもなんだ、場所を変えよう」
「でしたらポアロに行きましょうか。ここから近いですし。あ、車椅子押しますよ」
「いや、心遣いだけ受け取っておく。背後に立たれると、危機感から思わず腹部を肘打ちしてしまいそうになる」
この人の肘打ちは骨が折れる程度で済みそうにないし、言われた通りやめておくか。
冷や汗をかくオレと共に、彼は自分で車椅子を漕ぎながら、ポアロへ向かった。
店に入るといた榎本さんは、車椅子に乗るアサヒさんに驚き、慌てふためいていた。
そういえば、一時期アサヒさんはポアロに入り浸っていたから、顔見知りになっていたか。
「犬を助けようとしたら、車に轢かれまして。あ、俺はアイスコーヒーをお願いします」
この人、車に轢かれてもピンピンしてる印象があるけどな…
俺も便乗してアイスコーヒーを頼めば、テーブル席についた。
「依頼についてなんだが」
「はい」
「ツチノコっていると思うか?」
「いないと思いますが」
「探して捕まえてほしいんだ」
「話聞いてました?」
なんなんだこの人。
怪訝そうな目を向けていれば、アサヒさんは経緯を語り出した。
「さっき言ってた子どもがツチノコの特集番組を見たようでな。"ツチノコが見たい"と騒ぐんだ。だからどうにかしてツチノコを見せられないものかと」
「アサヒさん、意外と子どもに甘くないですか?」
「アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓だ」
「だからどっちでもいいだろ!」
死ぬまで直せないのかそのこだわりは!
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想世(プロフ) - 紅弁慶さん» コメントありがとうございます。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓ はしつこすぎず、薄まらないよう気を遣いながら入れているので、そのようなところに気付いていただけて嬉しい限りです! (4月6日 13時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 想世さん» あぁ…流石要所要所にアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓を匠に入れるアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんだ…。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんは本当にうまーく、何気なく出すんですよ… (4月6日 1時) (レス) id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 紅弁慶さん» アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓「たとえ死んでも、俺はアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓だし、アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓であることを誇りに思う!!」 (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 残念だったな…工藤くん……死んでもそのこだわりは直せないんだな、これが… (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます。こんな ひがいを うみだすとは あさひは やっぱり すっごいわるもの まる(小並感) (4月5日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:想世 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2024年3月25日 9時