工藤新一の災難 ページ35
オレが江戸川コナンから工藤新一に戻り、はや数日が経つ。
高校にも復学して質問攻めされたのは記憶に新しい。
「――まさかオメーも帝丹高に来るとはな」
「私が教室に入った時、声を上げるほどに驚いてたものね、あなた」
「そのせいで蘭に鬼のように詰められたけどな…」
オレの恨むような視線を涼しい顔してスルーする宮野とオレの帰路は途中まで同じだった。
蘭は部活があり、園子は京極さんとの長電話で忙しい。
下校は宮野と二人っきりになった。
「工藤君が私と帰っただなんて聞けば、蘭さんどう思うかしらね」
「どうせ話をするなら、歩きながらでもいいだろ?」
「…ハァ。そういう男だったわね…」
残念なものでも見るような目に首を傾げていれば、宮野は気が重そうに溜息をこぼした。
その後は宮野の現状を聞き、アポトキシン4869の解毒薬による副作用は無いかなどの確認をされながら帰り道を辿ること数十分。
前方に車椅子が見えた。
「…あの男、もしかしてアサ◯スーパードライじゃない?」
「え?あ、本当だ」
そういや、降谷さんを庇って下半身不随になってしまったと聞いたっけな…
変人な節はあるが、なんだかんだ根は悪くない人だ。今はそう思う。
「おーい、アサヒさ――え、何持ってるんですか?」
「君たちか。いやなに、ただのパンダのぬいぐるみだ」
「似合わねぇ…」
彼は随分とファンシーで可愛らしいぬいぐるみを膝に乗せ、真顔で車椅子を漕いでいた。
…少なくとも、筋肉質な男との相性は最悪だ。絵面がひどい。
「まるで子どもにあげるようなぬいぐるみね」
「そうだ」
「…本気?贈り物が可愛くても、贈り主が怖かったら子どもも泣くわよ」
「コワクナイヨー」
「裏声で言われると余計に怖いのだけれど…」
宮野もドン引きのようだ。
「それにしても、アサヒさんって子どもの知り合いがいたんですか?」
「俺がいない時によくウ◯ッシュの面倒を見てくれた人がいてな。俺が不在の間、その人の子どもがウメッ◯ュをたくさん可愛がってくれたんだ」
「そのお礼ってことですか」
「いや、ウメ◯シュを引き取ろうとしたら"ヤダー!ずっといっしょがいい!"と駄々をこねられたから、ぬいぐるみと交換してもらおうと」
「あなたが入院中に随分と親交が深まったみたいね、ウメッシ◯とその子ども」
「ウメ◯シュは渡さん。絶対にだ」
「娘と彼氏の結婚を渋る昭和の頑固親父みたいだな…」
なんというか…相変わらずで何より…
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想世(プロフ) - 紅弁慶さん» コメントありがとうございます。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓ はしつこすぎず、薄まらないよう気を遣いながら入れているので、そのようなところに気付いていただけて嬉しい限りです! (4月6日 13時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 想世さん» あぁ…流石要所要所にアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓を匠に入れるアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんだ…。アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓さんは本当にうまーく、何気なく出すんですよ… (4月6日 1時) (レス) id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 紅弁慶さん» アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓「たとえ死んでも、俺はアサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓だし、アサヒィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓であることを誇りに思う!!」 (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
紅弁慶(プロフ) - 残念だったな…工藤くん……死んでもそのこだわりは直せないんだな、これが… (4月5日 21時) (レス) @page36 id: 3f79d1fd3d (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます。こんな ひがいを うみだすとは あさひは やっぱり すっごいわるもの まる(小並感) (4月5日 16時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:想世 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2024年3月25日 9時