丑三つ時の泡沫−��※ ページ10
「…相変わらず何も聞くなってか？お前はいつもそうやって誤魔化すよな」
静かなリビングに、静かな怒りを覚える宗一の声が響く。
「"何かあったのか？"なんて聞いたところではぐらかす。…なぁ、コニャック。お前は俺のことを遠ざけようとするけどな」
「俺だってお前の事を心配してんだよ」
「…」
「例え人の歯を渡されても驚きはするが、お前が何かヤベェ事をしてるとかは、信用してるからそんな事は考えねェ。でも危ない事に巻き込まれてそうでヒヤヒヤすんだよ」
「大丈夫、青木遥斗には――」
「テメェはどうなんだよ」
「遥斗の思い出したくない記憶を受け持ってるらしいお前はどうなんだよ。自分の身は案じれてんのか？」
宗一の言葉にコニャックは「まあまあ」と宥めるように言い聞かせた。
「お茶でも飲んで落ち着きなよ。すぐ熱くなるのは君の悪い癖だよ」
「…」
宗一に諭されても余裕を崩さないコニャックに腹が立ちはしたが、宗一は渋々コニャックの入れた茶を煽る。
「そう心配しないでよ。僕だって、むやみやたらと考え無しに行動してるワケじゃないんだからさ」
「…本当に大丈夫なのか？何かあったら絶対に言えよ。頼むからよ」
「大丈夫、分かってるよ」
「――だから言ってるだろう？"江戸川コナン、安室透、沖矢昴という人物と青木遥斗が遭遇する事があったら、極力避けさせろ"って。彼らは青木遥斗にとって、危険人物だから」
「…それはお前の言う通りにしてる。けどよ…江戸川コナンって、まさか…ガキか？」
「そうだね」
「何でガキが危険人物になんだよ…」
「あの子は見た目騙しだからね。君も話してて感じただろう、あの子の聡明さは」
「…確かにそうだけどよ」
宗一は不信気味に話題の渦中の子どもを想起しようとして、何故か思考が上手くいかずにぼーっとしだす。
「あのガキも…お前に、何か…したのか…？」
「…そうだよ、傷付けられたんだ。ああ、危ないよ、宗一くん」
段々と宗一の思考の脈絡が無くなり、それを自覚する隙も無く意識が黒く塗り潰される。
「……あ…？なん、…だ……？」
宗一の身体から力が抜ける。手に持ったカップを落としかけたのをコニャックがキャッチしたのを最後に、宗一の意識が暗転した。
歪に笑うコニャックは、視界に映せなかった。
「お休み」
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
