阿笠邸の緊急会議−�� ページ7
「…やっぱり私は反対よ、江戸川君。貴方は彼の恐ろしさを理解していない」
コナンの意見も聞いた上で、それでも哀は首を横に振る。
彼女とて頑なに譲りたくない理由があるのだ。
「確かにコニャックは組織の利となる行動を主体的には取らない。…でもそれは、組織に忠誠を誓ってないからじゃないの」
「彼にとって多くの人間は、自分を楽しませられるか、そうでないかの駒に過ぎない。あらゆる事象は人生のスパイス。そんな享楽主義者だから、彼はやりたいようにやってるだけ」
「彼は利ではなく、愉悦を重んじているだけなの」
関わった事のあるシェリーの経験談は、コニャックは非情な人間と言っていた。
幼児化したシェリーを見逃した部分だけ見れば善良的にも見えるが、薬を無理矢理飲ませた上に見逃した理由は"面白そうだから"。
もっと言えば、彼女の姉を始末している。
コナンの望む話し合いなど臨める道理もあるまい。
コナンの持つ正義と、コニャックの持つ奔放さは、まるで善悪のように反りが合わないのだから。
「分かった、江戸川君？」
「…だとしても」
それでもコナンは理解に難色を示していた。相棒の言う事を疑うわけでもないが、コナンはコニャック――青木遥斗が完全な悪だとは断定しきれていなかった。
「オレが人質に取られそうになった時、あの人は頭を床につけてまで懇願して、犯人にオレを離すよう言った。…あの時の様子が演技だったとは、とても思えねぇ」
「コニャックが貴方の為に、土下座を…？」
スーパーでの立てこもり、そしてコナンと共に遥斗も人質に取られた際。遥斗はまっすぐと強盗を見つめ、自分の身など顧みずにコナンの身を案じて訴えた。
あの様が嘘だと、コナンは持ち前の直観から思えなかった。
その後、宗一が見せた何かによって豹変し、犯人達をのした事については衝撃だったが。
「とにかくオレも気を付ける。オメーも出来るだけコニャックに近付くな」
「ええ、そうしたいところね。…何故かニオイは感じなかったから、難しいところだけれど」
哀は気難しい顔を暗くさせる。
対策も出来ず、姉の仇と遭遇する可能性があるとなれば、彼女も不安になるだろう。
(どうしたものか…)
コナンは工藤邸の方へ向きながら、対策を思索した。
今、もしかすればこの会話を聞いていたかもしれない第三者の事も思い浮かべながら。
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
