阿笠邸の緊急会議−�� ページ6
「――コニャックだと？」
コナンは哀から出たコードネームをおうむ返しで口にする。
「ええ…間違いないわ。髪色は変えているようだけれど…あの体格、あの髪…何よりあの声！」
哀は激情に声を荒げる。
「"宮野明美は組織に刃向かったから殺したよ"なんて世間話をするように言いのけて、あまつさえ組織に反抗した私に薬を飲ませたの…！」
彼女は震える身体を必死に抑え、声を震わせる。その様からコニャックの人柄が垣間見える。
(…血のニオイが苦手な事も、安室さんに対する態度も、全部演技だって事か。となれば――)
――ならば阿鳥宗一の正体は、一体何だ？
彼はコニャックを知っていた。その上で江戸川コナン、安室透を知った様子だった。
可能性として高いのはコニャックの部下。だが――…
(コニャックは灰原の幼児化を知っている。仮に江戸川コナンの正体も知っていたとしても、阿鳥宗一に正体を教えず名前だけ教える理由はあるのか？)
宗一は恐らく、遥斗――コニャック経由でコナンを知っただろう。でなければ本当に宗一の情報源は分からなくなる。
コニャックはコナンの正体を知っている可能性が高い。だというのに、宗一には名前しか教えていない。
そうする事に果たしてコニャックにメリットはあるのか？
「…江戸川君、まさかとは思うけど…彼と関わろうとしてないわよね」
「不可抗力の場合は仕方ないだろ」
「いいから彼と会った場合は逃げて！彼は無害に見えて、慈悲をかけない男よ…ッ！」
「もう遅いんだ。オレは何度かコニャックと会ってる。恐らく目だってつけられてるし、今更対策してももう遅い」
「だったら、逃げたほうが…！」
「まあ待て、灰原。落ち着け」
「これが落ち着いていられると思うの！？」
哀は大事な相棒の危機に声を荒げる。ましてや実の姉を殺したであろう男が相手とならば、哀とて平静は装えまい。
しかしコナンは首を横に振り、哀を宥める。
「コニャックの行動は、明らかに組織に反するものだ」
「それは…確かに私を見逃した点はそうかもしれないけれど、でも…！」
「コニャックはオレの正体にも勘付いているだろうに、オレはここで生きている。少なくともヤツにはオレも生かす理由があるってことだ」
コニャックが完全に組織の人間であるならば、灰原哀、江戸川コナンの幼児化を組織に黙っている筈も無いのだ。利点など無いのだから。
つまりコニャックと話し合う余地が多少はある。コナンはそう判断した。
阿笠邸の緊急会議−�□�←Who is ambivalence？−��
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
