怪しさ満点のご都合主義−�� ページ39
なんて簡単な要求。しかしあまりにも赤井に都合の良すぎる話に、裏を疑う。
「…コニャック。君はバーボンに頼み、沖矢昴を探るよう言っていたんじゃないのか？」
「ええ。僕はバーボンにそう依頼し、そして今でも続けてもらっている。しかし貴方はどうか正体を露呈しないでほしい」
「まるでバーボンを弄ぶかのような行動だ。…一体何が目的だ」
既に答えに辿り着いているというのに、バーボンに答えを見つけてもらおうとしている。これを翻弄と呼ばずになんと呼ぼうか。
「こちらにも色々あるんですよ。まあとは言え、降谷零と赤井秀一が協力するなとは言ってませんから、有事の際は是非お二人でご協力を」
「…降谷零、だと？」
突然飛び出た固有名詞は、赤井がつい最近知った名だった。
それはバーボンが公安からのスパイ、降谷零であると知らなければ出ないものだ。つまりコニャックは、バーボンをNOCと知っていて泳がせている。
コニャックの腹の内は読めないが、平然と笑う男がまさかNOCを見逃す程に警察に協力的な人物には赤井は見えなかった。バーボンが何か、コニャックの陰謀に巻き込まれているのかと憂慮するくらいには。
コニャックはスコッチを死へ導いた、因縁の男なのだから。
「何故知っているか、とは問わないでくださいね。僕はスコッチどころか貴方まで失いたくない」
「スコッチをあの世へ誘導しておいて、よく言う」
「…」
おしゃべりだったコニャックは、その口を開けたまま、初めて言葉に詰まった。
「――」
「…？」
そしてその口が僅かに動いたが、漏れた息から何の言葉を紡いだか、赤井の聴覚をもってしても聞き取る事は出来なかった。
だが一瞬だけ、コニャックの表情が崩れた。
しかしそれも一瞬だけだった。
「…ま、それはともかく。僕をここで捕まえよう、とも思わないでくださいね」
「ああ。取引に応じる以上、捕まえられん」
「うそつき」
コニャックは組んだ足の太ももに腕を置き、頬杖を突いた。
「お仲間に僕を捕えさせようとしているのに」
コニャックはニィ、と笑みを深めた。そして赤井から視線を移す。
「二階の書斎の出入り口に一人。そして一階の死角に一人。銃を携えて隠れてるつもりでしょうけど、撃たない方が賢明ですよ」
「…！」
赤井の仲間――隠れていた人物達はその居場所を当てられ、心臓が跳ねる。
FBI、アンドレ・キャメル。同じくジョディ・スターリングは、コニャックの声に反応して身体を強張らせた。
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
