天才も所詮この世界の住人 ページ33
寄せる心が過去から現在へ戻る。一通り話し終えた赤井は、淹れたコーヒーを煽った。
「…聞く限りだと、阿鳥さんはコニャックの事を知っているけど、むしろコニャックによって組織から遠ざけられてる」
「ああ。コニャックに聞けば、阿鳥宗一は大学時代の友人らしい。腐れ縁とは称していたが、恐らく巻き込みたくないとは思う程の情はある筈だ」
沖矢昴が阿鳥宗一からの茶会に乗った理由。それは、阿鳥が過去のコニャックに最も近しく、そして同時にコニャックについて何か掴めるかもと思ったからだ。
結果的に沖矢の行動は功を成した。
赤井はコナンへ、阿鳥との茶会で相談という
「義父が死んでて…その上、青木遥斗に近付けるな、と言われてる人間が複数いる？」
情報共有を終えたコナンは神妙に考える。
「もしかして――」
「心当たりがあるのか？」
コナンは思い出す。一人の男の、親の仇でも相手するかのごとく吐かれた言葉を。
『気のせいじゃなかったんだな。やっぱりお前は、あの江戸川コナンだったわけだ』
それは宗一が、コナンに対して"コニャックについて聞き覚えはあるか"と問いかけた際、コナンが反応でボロを出した際に言われたものだ。
だが自信家の彼にしては、随分と自信が無さげに口を開いた。
「……ボクと、安室さんと…もしかすると昴さんもかもって、思ったんだけど…でもコニャックと阿鳥さんが久々に会ったのって、二年前でしょ？」
二年前ならば、コナンはまだ工藤新一であり、沖矢昴という人物はそもそもこの世に存在すらしていない。それでは筋が通らない。
だがコナンの脳では、コナンか安室か沖矢、もしくはその内の複数人しか考えられなかった。露骨に避けられている人間は、その三人しかいないのである。
「そもそもまるでコニャックの過去にボク達が関わっているような口ぶりだったけど、ボクは知らないし、赤井さんも一緒に組織で仕事をしたくらいでしょ？」
「ああ。関われやしないのに、まるでコニャックの過去を歪めたような物言いだった」
「…もしかすると阿鳥さん、コニャックに何か騙されているのかも。昴さんを茶会に誘ったのも、そうして昴さんから話を聞こうとしたから？」
「恐らくそうだろうな」
阿鳥宗一はコニャックに唆されている。そして、コニャックの謀略に巻き込まれているに違いない。
その物的証拠は無い。だが、コナンにはそう推測する根拠があった。
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
