手遅れな分岐点−�� ページ29
「昴さん！」
コナンは本来の我が家――工藤邸へ赴く。彼の謎を明かす鍵となる人物へ、話を聞きに。
「ボウヤか。慌てているようだが、どうした？」
沖矢は突然の来訪者を認識するなり、素に戻る。コナンは焦りと走りで額に汗を浮かばせており、焦燥の表情は沖矢の顔を引き締めさせた。
「昴さんが、阿鳥さんと一緒にこの家に来たって聞いて…どこで会ったの？」
「彼とはたまたま会ってな。…いや、少しだけ語弊が生まれるか」
どう伝えるか。沖矢は思索する。
「――君は、コニャックについて知っているか？」
「…？うん。ボク、さっきまでそのコニャックと話してて…」
「そのコニャックと会った。…阿鳥宗一と共に」
「！」
「コニャックにコンタクトを図るべく、近付いたが…阿鳥宗一にコニャックを遠ざけられた挙句、彼に"話そう"と誘われてな。家に招いて、話していたんだ」
「…」
コナンの脳裏に再び"時間稼ぎ"の四字が浮かぶ。沖矢を足止めし、その隙に灰原哀を――なんて推測が広がるが、ふと思考を止める。
――浮かび上がる多くの謎は、まさか前提が違うからでは？
そもそも沖矢昴が赤井秀一であると知る人物はほんの一握り。灰原哀のただのご近所さんである沖矢昴を足止めする理由は、無いだろう。
「コニャック達と会ったのは偶然？」
「ああ。だから近付く口実を作って近付いた。阿鳥宗一としか話せなかったが…」
「…阿鳥宗一って、組織の人間？」
「いいや。コニャックの関係者ではあるが、恐らく違うだろう」
コナンは、自らの前提を誤っていた事を悟る。
「というか赤井さん、コニャックの事…知ってるんだ」
「…昔、組織にいた時に組まされてな」
「！」
コニャックを警戒するコナンにとっては、喉から手が出る程までに情報を欲している。"何故教えてくれなかったんだ"と発しそうになるくらいには、勢いよくその話に飛びついた。
「…阿鳥さんは組織の人間じゃないって言ってたけど、どうしてそうだって分かるの？まさか赤井さんが会った事あるの？」
「ああ。彼とも会った事がある。…コニャックと任務に向かっている最中の話だ」
沖矢は長話になると確信し、飲み物の準備を始めた。
「アイスコーヒーでいいか？」
「うん、ありがとう赤井さん」
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
