偶然のイタズラ−�� ページ27
宗一はそのまま踵を返し、どこかへ去ってしまった。残されたコナンと哀は、呆気に取られるのみ。
コナンは困惑する。
宗一から見れば、非力な子どもが二人。その内一人を誘拐すればいいだけの、簡単な仕事をコニャックから押し付けられているのではなかったのか？
また、突然の出来事がいくらか起こり、混乱を極めている哀もまた相棒に困惑していた。
「ちょっと、急にどうしたのよ！」
「…妙な気配は無いな。悪い、灰原。実は――」
コナンはここまでの経緯を話す。
すると哀は冷や汗をにじませた。だがすぐに怪訝そうなカオをする。
「…悪かったわね、携帯は忘れたのよ。それにしても、コニャックがあなたの足止めを？でも、さっきの男からは変なニオイは無いし、私に変な事をする素振りも無かったわよ」
「ああ、だよな…」
よくよく考えてみればそうなのだ。
(組織の人間だったら、灰原が反応しないワケねーし…でも、何でこんな所にいたんだ…？偶然か？)
悪意、または作為を覚えても仕方のない偶然だ。しかしそうでなければ――宗一が本当にコニャックに頼まれて灰原哀を狙いに来たなら、おめおめと帰る必要は無い。コナンを無力化して目的を達成しようとすればいい。
「…そういえば」
「どうした？」
ふと、哀は思い出したかのように口を開く。
「あの人、さっき見かけたわよ。あなたの家で」
「…オレの家で？」
「ええ。あなたの家に住んでる彼と一緒に入っていったの」
え、と素っ頓狂な声が出かけたコナン。だがそれを飲み込む。
「さっきの人の事を知りたければ、彼に尋ねたらどうかしら。あの胡散臭い大学院生さんに」
コナンと灰原がそんなやりとりをし、コナンが本来の我が家へ戻る決意を固めた頃。
コニャックは去った少年に置き去りにされ、二人分の代金を支払った。
そして突如として顔色を変え、店外へと駆けた少年を気がかりに思う安室だが、表に出す事無く二人分の会計を担当した。
「…コナンくんが血相を変えて外に出たようですが、」
「先程はどうもありがとうございました、安室さん」
安室が軽い探りを入れようとした時、遮られた。不快に思うと同時に、言われの無い謝罪に安室は不思議に思う。
「何故お礼を？」
「だって、貴方がコナンくんに僕の事を教えてくれたのでしょう。どこまで教えたかは知りませんが」
「…やはり、貴方」
安室は薄々察していた事を確信する。
「あんな所で会うなんて、本当に奇遇でしたね、バーボン」
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
