表裏の追求−�� ページ16
「あっはは、間抜けヅラ」
「なっ…は、遥斗兄ちゃん、意地悪したの？」
「さぁね？ああ、そういえば何を想像したのかな、コナンくん？」
「いっ、いや、それは」
成人には言えて未成年には言えない事、と言われ、精神的には思春期真っ只中であるコナンの脳裏によぎったのは――
「ませてるなぁ、コナンくん。もしかしてもうそんな事知ってるの？流石だね」
「な、なんのことか分からないなぁ！」
「そういうことにしておくよ」
コナンを弄ぶ遥斗の態度に、コナンは頬を膨らませる。
「…なんか今日の遥斗兄ちゃん、意地が悪いね」
――そして妙に狡猾だ。
宗一と遥斗のコンビが都合の悪い話からのらりくらりと躱す場合は、宗一が無理矢理話を逸らしていた。まるで遥斗を守るように。
だから遥斗単体に話を聞いた場合は、あまり話は誤魔化されなかった。
悪寒がするあの声をしている時を除いて。
「いつも宗一にイタズラされるからね。八つ当たりだよ」
「お、大人気ないよ、遥斗兄ちゃん…」
しかし今は巧妙に話題を逸らし、意識を別へ向けさせていた。相手がコナンでなければ、そのまま遥斗のペースに乗せられていたことだろう。
その上、仮にもう一度同じ質問をしようものなら、コナンはマセガキという汚名を着てしまうが故に聞き出せずにいた。
(…何か隠してるのか？)
「お待たせしました、ハムサンドとコーヒーになります」
しかしどう言及しようかコナンが思索を進めるも、間に安室が入る事でそれは中断される。
「ありがとうございます」
(そうだ、安室さんなら聞け――)
「ではごゆっくり」
(えっ？)
自分と同じく遥斗に探りを入れると思っていた安室のあっさりとした撤退に、コナンは面食らう。安室はコナンを一瞥すると、スマホを手に取ってカウンターの向こうへと戻ってしまった。
(…店内はそこまで忙しくないし、言及する時間はあるのに…)
安室に連れられた手前、安室が遥斗を避けてる事は無いだろう。だがこの場において遥斗に探りを入れないのは、一体どういう意図があるのか。
不思議がっているコナンの懐で、スマホが震えた。
(…安室さんから？)
コナンのスマホに映ったのは、メールだった。それも、送り主は安室。
少し歩けば辿り着く程度の距離にも関わらず、スマホで連絡する意味があるとすれば――会話を聞かれたくないのだろう。
「…僕ちょっとトイレー！」
「いってらっしゃい」
ハムサンドへと手をつけ始めた遥斗を置き、コナンは離席した。
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想世(プロフ) - ネルさん» コメントありがとうございます。そのようにおっしゃっていただき、とても嬉しい限りです。 (10月30日 21時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ネル - 最新話のイラストのコニャックの顔が本当に好きです！！闇のありそうな顔というか…！！ (10月29日 21時) (レス) @page28 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2023年5月26日 16時
