乾坤一擲のその末路−�� ページ36
「遥斗さん、返事をしてくれ遥斗さんッ！」
電話の通話口向こうから聞こえた銃声により、緊急事態を察した。誰かに見つかってしまったのだろう。
(…この声、まさかアルマか？)
スマホは声を細々としか拾ってくれない。それでも、既視感のある底冷えするような低い声色から、遥斗さん達を見つけた敵を察する。
(よりにもよって…！)
…だが、もう現場には着く。到着すれば、すぐにだって…
(アルマが彼を人質に取るかもしれないが…基本的にヤツが遥斗さんを殺す事はあるまい)
楽観視は出来ない。だが、あらゆる想定と備えをもってして現場に臨む。この場では、僕が指揮権を執るのだから。
何一つ間違えてはならない。
「――！降谷さん、撃たれています！」
「何っ！？」
金属と金属が激しく瞬間的にぶつかり合う音が車内にも響いた。目的の現場であるビルの方を向けば、二階から誰かが銃口をこちらに向けていた。
「チッ、刺客か…！」
アルマとて単独で事を起こす短絡的な人間では無い。思考の読めない気味悪さこそあれど、持ち前の
［安室君］
無線機から忌々しい声が聞こえる。何だ、とぶっきらぼうに返せば、アイツは変わらぬ調子で返した。
［指示は何だ］
「！…突撃を妨害してくる刺客達を制圧してくれ、FBI」
赤井が僕の指示を仰いだ。一匹狼風を気取る、いけすかないあの男が。
(…ふん、仲良く手を取り合うのは今回限りだぞ)
奴が僕を信頼している。それに関して喜色を覚えた訳でも無いが、今回ばかりは僕もアイツの腕を信じて託してみようと思った。
(いがみ合っている場合でも無いからな)
後から独断行動と見なされ、上から何か叱りでも受けるだろうか。構わない、彼らを助けられるのなら。
そして世界的な規模で犯罪を横行させていたあの組織に所属していた幹部の男も、捕えられるのなら。
「――了解」
赤井は簡潔に、たった一言だけ告げた。
正面玄関は奴とその仲間に任せ、再び僕は遥斗さんへ呼びかけた。
「遥斗さん…！」
［――っ、――！］
変わらず彼らは何かを言い合っていた。が、それらを聞き取れそうにない。時折単語は聞こえるが、どれも状況が良いと判断出来るものではなかった。
［ッくそ！］
彼の苦渋の悪態がハッキリと聞こえた。かと思えば、彼らの声はますます遠ざかった。まるで、スマホを投げたかのような…
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想世(プロフ) - みそらーめんさん» コメントありがとうございます。元ネタはとあるボカロ曲ですね。応援もありがたいです、色々と落ち着いたら更新頑張りたいと思います。 (2023年1月22日 9時) (
レス) @page46 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
みそらーめん - 元ネタの元ネタが人間失格、、、！何となく分かるような、、、？この作品、大好きです。体には気をつけて更新頑張ってください。 (2023年1月22日 8時) (レス) @page47 id: c05dcaa337 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 早桃さん» コメントありがとうございます。気に入って頂けたのなら何よりです。これからも更新頑張らせて頂きます。 (2022年12月18日 18時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やばいめっちゃ好き、、、！面白すぎて一気に読んじゃいました！！独特な世界観が個人的にツボです笑 これからも無理せずに更新頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！大好き！ (2022年12月18日 17時) (レス) id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - せいあさん» 再度コメントありがとうございます。自分でも驚きですが、名残惜しくも次作で本編完結となります。どうぞ最後まで楽しんで頂けると幸いです。 (2022年12月1日 21時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年12月1日 18時
