正義の奮闘−�� ページ20
「遥斗さんと灰原さんが誘拐されただと…？」
仕事の終わらぬ昼下がり。降谷のスマホに鳴った電話の相手は、珍しくも忌まわしかった。辟易しつつ電話を取り、向こうに――赤井の要件に耳を傾けていると、緊急事態だった。
「どうしてお前の仲間がついていながら…！」
灰原さんの護衛として、常に赤井もとい沖矢かその仲間がついていたハズだ。しかし不意を突かれ、謎の人物に眠らされていたらしい。
［いわく、病院の使われてない倉庫で眠らされていたそうだ］
「…内通者がいそうだな。どこに行ったかは？」
［鋭意捜索中だが、人手が足りない為に手を貸していただきたい。犯人についての目処は立っている］
「…アルマか？」
［ああ］
やはりか。二人まとめて攫うような人物など、そいつしか考えられない。
すぐに目撃情報などをかき集め、連日仕事で疲労を詰め込んだ身体に鞭を打って捜索の手配を始めた。騒然とする病院では、"慌てたように精神病院から脱走する患者が駐車場に出た"、"その後の行方は分からない"と証言を得た。
(彼が脱走する訳が無い…となると)
何かしら…恐らく灰原さんを使われて駐車場まで誘き出されたのか。
自然と歯噛みがこぼれた。デスクを強く叩き、手がかりの無い事へのもどかしさに焦る。
すると安室のスマホ宛に一本の電話が届く。今は緊急事態だ。電話相手には申し訳ないが、後回しで――と考えた所で、相手の電話に目を見張った。
"倉間遥斗"。
四の五の言わず反射的にスマホに手を伸ばした。
［もしもし］
出たのは彼本人だった。誰かが成り済ました様子も無い。息を切らして状況を報告する彼に安堵すると同時に、やはり焦燥は生まれていた。
灰原さんと共にまとめて誘拐された彼らが誘拐犯の手から逃れたのは良いが、建物から出られないとのこと。逆探知の手配を命じて、居場所を突き止めればすぐにでも現場へ急行した。
「安室君、君が指揮をとってくれ」
合流した赤井はコナン君まで引き連れて、赤いマスタングで向かっていた。遥斗さんとの連絡係もあり、赤井達は前方で救出、僕は後方で指揮だ。
「遥斗さん？」
途中、嫌に静かになった。段々整いゆく彼の息が遠ざかり、心配になって何度か彼の名を呼んだ。
「遥斗さん、返事してくれ！」
［呼んだ！？］
「散々呼んだぞ！」
どうやら誘拐された際に眠らされた為、睡眠作用が未だ後遺症として身体を蝕んでいるらしい。
しかし慌てて僕の声に応えた彼に、僅かな違和感を覚えた。
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想世(プロフ) - みそらーめんさん» コメントありがとうございます。元ネタはとあるボカロ曲ですね。応援もありがたいです、色々と落ち着いたら更新頑張りたいと思います。 (2023年1月22日 9時) (
レス) @page46 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
みそらーめん - 元ネタの元ネタが人間失格、、、！何となく分かるような、、、？この作品、大好きです。体には気をつけて更新頑張ってください。 (2023年1月22日 8時) (レス) @page47 id: c05dcaa337 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 早桃さん» コメントありがとうございます。気に入って頂けたのなら何よりです。これからも更新頑張らせて頂きます。 (2022年12月18日 18時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やばいめっちゃ好き、、、！面白すぎて一気に読んじゃいました！！独特な世界観が個人的にツボです笑 これからも無理せずに更新頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！大好き！ (2022年12月18日 17時) (レス) id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - せいあさん» 再度コメントありがとうございます。自分でも驚きですが、名残惜しくも次作で本編完結となります。どうぞ最後まで楽しんで頂けると幸いです。 (2022年12月1日 21時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年12月1日 18時
