化かし合いを制せ−�� ページ47
「…ここで手出ししてくるとは、いささか早計が過ぎるんじゃないのかい？」
笑みを消したアルマが車外へ視線を移した。そこにはスーツ姿の男が何人も車を取り囲み、アルマを睨んでいる。
頼もしい公安の仲間だ。
「貴方が言ったのでしょう？"組織の壊滅だって、今は手の届く範囲にある"と…もう、貴方達を泳がせる必要は無くなったんです」
「…してやられたねぇ。少し余裕をかましてしまったか」
アルマが銃を取り出す。それと同時に俺も取り出し、互いに銃を向け合う形となった。緊張の空気が流れる。
「仮に僕を撃った所で、貴方はここから出られるとお思いで？」
「思うさ」
間髪入れずにアルマが答え、彼は獰猛に笑った。
「俺の本業、忘れてないか？」
「…ッ！吸うな！！」
銃はただの視線誘導の為の物だった。もう片方の手に握られた煙玉を外の人間にバレぬよう落とせば、急激に煙は広がる。吸わないように銃を持っていない腕で口を塞げば、扉を開けて逃げようとしているアルマに向けて発砲する。
「…ッぐ、！」
避けようとしたアルマは左の二の腕にその弾を受けてしまったが、文字通り煙に巻かれて逃げようとする。僕も追いかけようと扉を開けたが、車を出た途端に膝から崩れ落ちる。
(ただの煙では無いか…！)
アルマは元々、薬学のエキスパートだ。護身用に人を無力化する用の薬品類やそれに準ずる道具を持ち合わせても、不思議では無い。
(少し、吸ってしまったな…)
仲間が追いかけてくれているが、アルマも伊達にコードネームをもらって何十年も組織に身を置いていない。薬に対して耐性を得てもいるのだろう。
(くッ、取り逃したか！)
今僕が組織に正体を露見しても、あとこちらでやる事は組織に対して総攻撃するのみなので、誤差でしか無い。だがあの男を確実に捕らえねば、遥斗さんもおちおち眠れないだろう。
(腕に銃弾は命中したが…捕らえるのは難しいか…！)
――すまない、遥斗さん。
後に聞いた、アルマを取り逃した報告に歯噛みしながら、内心で謝罪した。
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» 毎度コメントありがとうございます。感動してもらえたのなら何よりです。これからも更新頑張らせていただきます。 (2022年11月11日 16時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - うわぁぁぁあああ！！最近見れてなくてすみません！久しぶりに見て感動しました、、、。これからも更新頑張ってくダセェ(๑･̑◡･̑๑) (2022年11月10日 10時) (レス) @page12 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ばってんさん» 再びコメントありがとうございます。次作はそう遠くない内の制作を予定していますので、続きもどうぞよろしくお願いします。 (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - 続き楽しみにまってます！！ᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ (2022年11月7日 21時) (レス) @page49 id: 33b58415e3 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» 毎度コメントありがとうございます。毎回本シリーズを見つけて読んで頂き、とても嬉しいです。ご自分のペースでどうぞ泡沫編もよろしくお願いします。 (2022年10月25日 15時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年10月21日 15時
