地獄の顕現−�� ページ1
アルマは楽しげに、暗い部屋でぐったりと首の垂れる倉間の手に触れた。手すりに固定された傷だらけの指は、外界からのちょっとした刺激のみでもぴくりと反応した。
「痛いだろうね。辛いだろうね」
子どものような口調で、アルマは問いかけた。倉間に反応は無い。アルマは肩をすくめ、だが頭にポンと手を乗せた。本来なら賞賛の意を持つ動作だが、倉間は肩を跳ねさせた。
「ここまで耐えたのは俺も凄いと思うよ。君は素晴らしい。ただの人の身でありながら、色んな痛みに耐えた」
倉間の伸びた爪へ、アルマの指が触れた。逃げようと指を遠ざけようとするも、アルマはそれを逃さずガッチリ掴む。
「きっと、これからやる事なんかも、耐えてしまうんだろうなぁ」
高揚したアルマの声が地下室に響く。いやに耳に届いてしまった倉間が息を呑む。アルマはそれを逃さずに、倉間には馴染みの無いカラクリに倉間の指を入れた。
「これ、何だと思う？…指の爪を剥がす装置さ。てこの原理を使ってここを力一杯押せば、爪が剥がれる。生爪っていうのは、剥がされるととても痛くてね…その後も大変さ。力を入れる度に激痛が走り、まともな生活も困難になる」
「…！」
「でも君なら耐えられるよね？大丈夫、神経が過敏になる薬を飲みながらでの電気椅子や根性焼きも耐えたんだ。きっと今回だって、いけるさ」
「…や、め…ッ」
倉間への拷問はずっと、過激極まりなかった。最初に始まった電気椅子。全身に電流を、筋肉には激痛が。刺すような鋭い痛みが瞬時に駆け巡り、倉間は大層暴れた。もっとも、強固な拘束により逃亡は敵わなかったが。
『ぁ゛……ッ、』
『映画でたまに見るワンシーンは、実はこんなに痛いものさ。…それで、調子はどうだい？』
『………、』
『ふぅん、まだ反抗的だな。いつまで去勢を張れるか、楽しみだね』
口では"従う"と言ったものの、倉間はアルマを睨み続けるもので、アルマはそれでも電気を流し続けた。ようやく終えたのは、電気の流し過ぎで倉間が鼻血を出した頃だった。
『…おや、俺とした事が。加減を間違えてしまったかな』
『じゃあそろそろ電気に慣れた頃だろうから、箸休めといこうか』
アルマの言う箸休めは箸休めでは無かった。
これ以上やれば死んでしまう、と判断したアルマが次にした事は、鼻血の処置からのバラ鞭での鞭打ちだった。倉間は全身痛めつけられたせいで疲弊しきっており、音もとっくに上げている。
地獄はここからだった。
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想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» 毎度コメントありがとうございます。感動してもらえたのなら何よりです。これからも更新頑張らせていただきます。 (2022年11月11日 16時) (
レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｯｽﾁｯｽ - うわぁぁぁあああ！！最近見れてなくてすみません！久しぶりに見て感動しました、、、。これからも更新頑張ってくダセェ(๑･̑◡･̑๑) (2022年11月10日 10時) (レス) @page12 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ばってんさん» 再びコメントありがとうございます。次作はそう遠くない内の制作を予定していますので、続きもどうぞよろしくお願いします。 (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - 続き楽しみにまってます！！ᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ (2022年11月7日 21時) (レス) @page49 id: 33b58415e3 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - ﾁｯｽﾁｯｽさん» 毎度コメントありがとうございます。毎回本シリーズを見つけて読んで頂き、とても嬉しいです。ご自分のペースでどうぞ泡沫編もよろしくお願いします。 (2022年10月25日 15時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作成日時：2022年10月21日 15時
